2020年3月6日金曜日

フロム・ア・ページ|イエス

突如リリースされたFly From Here前のレコーディング音源。ボーカルはベノワで、キーボードにオリヴァー・ウェイクマンを招聘しているところが興味深い。

どういういきさつでリリースとなったのか謎だが、ライナーを呼んでるとオリヴァーの恨み節っぽさを感じる経緯と、淡白なハウ師匠のコントラストが絶妙に、今のイエスっぽくていい。元メンバーのライナーノーツと言えば、故ピーター・バンクスもBBC音源をリリースした際に、それは立派な「初代ギタリスト」の立ち位置でのライナーを書いてくれたことを思い出す。

音だけ聴いていると、イエス・ミュージックの平均点以上ではないかと思う。Fly From HereのB面、というか後半がこれでもいいぐらい。なぜこれがボツってたか、単にバグルス組との再合流の機運により一掃されてしまったのか、残念。バンド内の政治的な問題だったんだろうけど、こういうのがバンド活動のレベルを下げているのではないかと思う。現時点での最新作、「Heaven and Earth」よりよっぽどいい。あれは、ソングライティングというより、バンドアレンジが足りない。その点ではプロデュースにも及第点はあげられないんじゃないかな。
個人的にはダウンズ氏はイエスではなく、エイジアに専念した方がいいのかな、と思う。
ついつい、現体制への批判となってしまったが、そうなるぐらい作品として本作は良くできている。

いつのまにかAWRも活動停止となり、リ・ユニオンは遠のいた感がある。みんなが元気なうちに、集まって欲しいところ。