ブライアン・アダムスのライブ盤。高校生の頃、リアルタイムで購入して愛聴盤となっている。
当時のベスト盤的な選曲で、ノリに乗っている頃でもあり、そのエネルギッシュな内容に、自分の中でもライブ盤ベスト10には入る。
ライナーノーツによると、それまでのライブは複数会場、場合によっては別の年の音源を混ぜて、きちんとしたパッケージとして作られることが多いライブ盤が、本作では丸々1公演を収めたということで、へぇ~と思ったものでした。
どっちがいいとかそういう話ではなく、単にブライアンはこの一連のノリをスナップショットとしてとらえ、ファンと共有したかったんだろうという風に思える。
89年というデジタル機器も旺盛になってきた頃に、キーボードもいるとは言えシンプルなバンド構成で、これぞロックというところがいい。
冒頭のShe's Only Happy When She's Dancin'からTake Me Backまでの6曲で勢いあるロックナンバーでグイグイと引っ張り、The Best Was Yet To Come、Heavenというバラードでやっと一休み。
オーディエンスとの掛け合いも頻繁で、Summer Of '69では顕著。こういうところからも、楽しいライブであることが分かる。
アンコールのWalkin' After MidnightとI Fought the Lawはカバーだが、どちらもカッコいいロックン・ロール。特に、ここ最近Wakin' After MIdnightの魅力に気づきリピートしているぐらい。彼のハスキーボイスがベストマッチ。
90年代入って映画にバラード曲を提供したためか、そういうバラード・シンガー的な見方が増えるのも仕方がないが、そういう広がりが出る前のロックン・ローラーとしての彼の魅力が詰まっている。
ジャケットも秀逸で、これまでどおりモノクロ写真。Cuts Like A Knifeのジャケットと甲乙つけがたいほど。