2010年7月6日火曜日

黒と茶の幻想:恩田陸

黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)

黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫)

「三月は深き紅の淵に」で取り上げられていた劇中劇、中年男女4人による安楽椅子探偵をクローズアップさせた物語。

「三月」と同じ四部構成で、それぞれ登場人物の視点で物語が過去を交えながら進んでいく。

細かい、ふと思いつきな「謎」を茶化し半分で交えつつ、お互いがお互いのことを読み合いながら、4人の共通の知人・友人である「憂理」に関する謎も解き明かされる様は、興味深い。

普段ならしゃべれないところ、それを山歩きしながらやってのけるんだから、非日常の力ってのもすごいと思う。