数多くのロック・レジェンドの書籍が発売されている中、正直遅すぎると思ったぐらいの「大物バンド」ラッシュについての1冊が満を持しての登場。
プログレ関連誌である程度まとめて特集されることはあれど、まるまる1冊はそうそうない。あのレコードコレクターズだってなかなか特集してくれない。
貴重さはあの名著「プログレギターの魔術師」(アレックス・ライフソンの機材特集あり)以上かも。
バイオグラフィー、ディスコグラフィーとしては十二分のボリュームであり、彼らの作品を聴きながら読むのが楽しい。これまでの情報では知らなかったんだけど、バンド内でシンセサイザーの使用度合いでせめぎ合いがあったんですね。3人1枚岩のイメージだけど、やっぱりサウンド・プロダクションにそれぞれこだわりがあるだろうから、そこで多少の衝突があるのはプロとして当たり前か。
惜しむらくは、ディスコグラフィーがすべてカラーでないこと。(ヴェイパー・トレイルズからモノクロ頁)
それでも本著の価値が下がることは断じてない。