塩野七生の「ローマ人の物語」全15巻(冊数で言えば、50冊弱か?)のダイジェスト版。
写真も豊富に掲載されており、駆け足とは言え、共和制から始まりギリシャやエジプトとの争い、カエサルの登場と帝政への移行、群衆、軍隊、官僚が望む皇帝像など、古代ローマの概要を捉えることができる。
読み終わるまでは、東ローマ帝国まで含んでいるのかと思っていたんだけど、やっぱりそれはどこかローマでないローマ帝国ということで、ある意味潔く西ローマ帝国の滅亡で幕を閉じている。
十八史略などの中国史物を読んでいると安定した広大な領土を支配した帝国(たとえば「唐」)のくだりになると、西洋帝国の(あるいはイスラム教帝国の)影がちらほらと垣間見えてくる。
そんな感じで蛮族の侵入やキリスト教の脅威などが描かれ、築き上げた帝国が揺るがされる姿も、歴史として再確認できた。