2015年4月7日火曜日

Song For My Father - Horace Silver

先日の「バードランドの夜」も気に入ったので、もう少しホレス・シルヴァーについて掘り下げてみたいと思い聴いたのが本作。

まず、ジャケットがいい味出してますね。よくある大味な文字だけ、ポートレイトだけというのとは、一線を画した出来栄えかと思う。モデルは父のJohn Tavares Silvaとのこと。

出だしのタイトル・チューンのゆるい入り方がいい。この肩の力の抜けた感じで、でも耳につく演奏、フレーズといい、組み立て方が絶妙。

2曲目のThe Natives Are Restless Tonightはトランペットがテンポよくリードする、ノリのいい1曲。ドラマーのRoger Humphriesが全体をうまくとりまとめていると思う。

続くCalcutta Cutieでメンバーが変わり、Roy BrooksのドラムとSilverのピアノのタッグがいい仕事をしている。

4曲目Que Pasaもそうだけど全体的にどこか中南米っぽい雰囲気を帯びていて、他のジャズ・クインテットとは一味違う。癖になるメインテーマを吹くトランペットやサックスもどこかゆるい。これが本作の魅力の源か?

そして本作中一番賑やかなThe Kicker、締めはピアノ・バラードLonely Woman。正直これだけ作風が浮いているなぁと思わなくもないけど、あるいはKickerが締めでこれがアンコールという見方もあるかも。

ということで中々にいい1枚だと思います。