メイズ|恩田陸
中央アジアのある国に昔から伝わる怪奇現象がテーマのミステリー小説風な不思議な作品。
恩田陸はSF、ホラー的非日常も織り交ぜる話もあれば、そういうのは一切含めない話もあるので、読み始めたときは前者の路線かと思ったが...
白い矩形の建物で中が迷路のようになっている遺跡があり、人が入ると消えてしまう、と昔からの伝承があり、その調査の随伴することになった人物の目線が多いので、彼が主人公みたいなものだが、どちらかというと狂言回し的な立ち位置であり、彼をこの旅に招いた人物神原恵弥がもう一人の主人公で仕掛人。
連載ものかわからないが、章ごとに実にいいところで終わるので、その引きがすごく読み進むためのアクセルとなっている。
結末というかこの旅の真の目的がちょっと納得いかないんだけど、そこに至るまでの流れは凄くいい。