さて、久しぶりに聴いた10ccです。10ccはベスト盤とこれしか持ってない。
本作と言えば、やっぱりI'm not in Loveなのですが、初めて聴いて度肝を抜かれた(大げさ)のが冒頭の「パリの一夜」。組曲風であり、オペラ的な劇風であり、すなわちクイーンっぽさ、あるいはピーター・ガブリエル期のジェネシスのようなシアトリカルさあふれる名曲。なんでもクイーンの「オペラ座の夜」よりこちらが先とか。
このコーラスの重ね方が発展したのがI'm not in Loveなのか。
I'm not~のコーラスの録音については、TBSの音楽番組をまとめたKindleコンテンツにまとまっているので興味のある人はご一読を。
I'm not in Loveはとにかく名曲。エリック・スチュワートがせつないボーカルとバックの重厚なコーラスの対比が素晴らしい。自分の中ではふと聴きたくなるバラードの1つでもある。
3曲目Blackmailは、スリリングな出だしから始まり、途中でギターが歪んでハードロック調になるような展開が面白い。
ごちゃっとしたサウンドがタイトルとぴったりな「人生は野菜スープ」。これはベスト盤でも耳馴染みの曲だった。
最後はサントラの〆にふさわしい「わが愛のフィルム」。
ジャケットはヒプノシス。もうアルバム頭から最後まで英国テイストであふれているのも素敵だ。