クラシックロックはどれも後追いだけど、ビーチボーイズに手を出したのは20代後半。元々その存在は知っていたものの、さほどサーフィン・ミュージックに興味もわかずに放置していた。それでもこのアルバムのことは印象的にインプットされていて、やはりポール・マッカートニーが影響を受けたと発言していたからだろう。
高校生の頃、FM誌が音楽情報の仕入先であったので、多分FMステーションだったと記憶しているんだけどポール・マッカートニーが選ぶ60年代の10曲みたいな企画で、ペット・サウンズの「神のみぞ知る(God Only Knows)」を挙げていた。
で、90年台中盤以降紙ジャケが流行り始めて、その一環で出てたんじゃないかと思うこのペット・サウンズ(モノラル盤)をゲットしたのが初ビーチボーイズ。
今思うとその翌年に出たモノ&ステレオの方が良かったが、まぁ当時はステレオ、モノなど特に気にせず、紙ジャケにあやかって入門にいいタイミングだろうと買ったんだった。
最初に聴いた感想が、ラジオなどで知っていたサーフィンU.S.A.のような「サーフロックじゃない」「夏っぽくない(夏っぽいと思ってた)」という2大インプレッション。冒頭のWouldn't It Be Niceこそ多少夏っぽさを無理やり感じないでもないけど、どちらかというと「爽やかさ」、「ポップさ」が上回っていて、いい意味で裏切られたと思ったのをよく覚えいてる。
そしてアルバムが進むにつれ内省的な感じになっていくので、「思ったより暗いかも」と思ったのも正直なところ。
そして、「神のみぞ知る」は前評判どおり美しいメロディに気持ちのいいコーラスで、ポールの言うことももっともだなと感心。当時はメンバーが演奏していると思ってたので、こりゃ確かにビートルズが意識するだけあるなぁと思った。のちに、演奏はスタジオミュージシャンで固められていることを知るんだけど、それはそれでプロフェッショナルな作品を制作するに徹している姿と思えば、別にマイナスイメージは沸かなかった。
自分は冒頭のWouldn't It Be Niceも好きだが、タイトル曲にしてインストゥルメンタルナンバーPet Soundsが気に入っていて、あのとぼけた感じのメロディーライン、色々な楽器や効果音が入り混じって成り立っているところがかっこいいと思っている。最後に車のクラクションや走行音がかぶさるところなんて、どんな意味があるかは知らないけどあれで締めくくるセンス。まぁ、バンド・メンバーからは何やってんの?と覚めた目で見られるのも致し方ないのかも(笑)
で、これが気に入って他のアルバムも聴いてみようと思って手を出したのが、Beach Boy's Perty。これが90年代当時流行っていた言い方をすれば「アンプラグド」なんだけど、こいつが思いのほかつまらなかったのである。ビートルズのカバーもあって興味深かったのだが、早々に手放してしまった(笑)
そのせいかどうかは分からないけど、以後オリジナルアルバムをそろえることはなく、なんとなくボックスセットにのみ手を出す微妙な付き合い方をしている。ちゃんとしたオリジナルアルバムは2012年の「神のつくりしラジオ」(名盤)を買ったぐらい。