2016年7月4日月曜日

20億の針 - ハル・クレメント

創元社より新訳が出るというので、図書館で旧訳を借りてみた。

ある星の犯罪者(ホシと呼ばれている)を追跡していた捜査官が、追跡行を経て地球に辿り着くとこから始まるSF小説。彼らは他の生き物の身体を借りることができるアメーバ状の生命体で、落下地点付近にいた少年の身体に捜査官が忍び込み、やがて宿主の少年の協力も得ながら、ホシを探し出すというもの。

あらすじからして、おそらくこれのジュブナイル版の訳を小学校の時に読んでたと思う。もちろんタイトルはこれではないけど。

今でもラスト、というかホシが誰に潜んでいたかは忘れてしまったが、大まかなプロットは覚えていたのでそれなりに感銘を受けていたのだと思う。

しかし、今回読んでみてそこまで面白くはなかった。要因の一つは翻訳にあり、Bobをバブと訳したりと所々違和感があり、まぁこの点こそ今回新訳を出し、世に再評価され新たな読者を掴む、といことでもあると思う。

それでもテンポ感というか、意外と終盤までホシと関わりが出てこず、どちらかというと熟練の大人である捜査官と少年のやり取りが多く、それこそジュブナイル版では少年の瞳に捜査官が身体を変形させながら文字を浮かべるなどの対話で飽きさせずに進んでいたと思う。とは言え、随分昔のことなのでそうではないのかもしれない。