80年リリースの再デビュー2作目。浪漫派アコースティック路線の集大成とも言える作品。
前作を踏襲しつつも、「無言劇」に南米の楽器のケーナ、「落日の風」の間奏にエレキが入ったりとサウンドに幅が出ている。編曲で井上鑑氏が全編にかかわっているのもクオリティの引き上げにつながっている。
聴き始めた当初は、それこそ先に友人にテープダビングしてもらった「Page One」にも収録の「無言劇」や「ロンサムシティ」が大好きで繰り返し聞いていたが、「明日なき暴走の果てに」の2台のアコギの織り成すギターラインにしびれて、しばらくはずっとそれが自分の中でのベストトラック。
もちろん、ライブでもおなじみでALFEE史のマイルストーンとも言える「ミュージシャン」も収録されており、重要な1枚となっている。
坂崎師匠による「逆もどり浮気考」は、どこか大瀧詠一と南こうせつを足して割ったような面白さがある。ちなみに、坂崎師匠が作詞にクレジットされるのは、このアルバムまで。以後、タカミーが制作担当として奮戦し、今日に至る。
最近ラジオで「坂道」が流れ、改めてその歌声、歌詞にぐっと来てしまった。男の人生の分岐点をこういう風に歌うんだなぁ、としみじみと感じる。ラジオで不意に聴いた時の刺さり方がいいと、自分でも嬉しい。「坂道」の背景については、できればよしおかつとむ作の漫画「ドリーム・ジェネレーション」を読んで欲しい。
後追いの自分は88年頃DNA Communiationのあたりで一斉に出たゴールドCDで購入。当時、大部分はこのゴールドCDで買ったんだった。AlmightyとFor Your Love、UK Breakfast、Selection IIだけを通常CDで先に買ってたと思う。