2014年6月11日水曜日

頼むから静かにしてくれ〜レイモンド・カーヴァー短編集

村上春樹がお気に入りの作家の一人に挙げているレイモンド・カーヴァーの春樹訳による短編集。本書の抜粋版のような「カーヴァーズ・ダズン」は過去にも読んだことあるが、ここまでまとなってカーヴァーを読むのは何年ぶりか。

どれも鮮やかに切り落としたような「オチ」はないんだけど、読むと引き込まれる不思議な短編。原文読んだことないけど、村上春樹の訳は違和感ない。

どの話も夫婦、家族の誰かが主人公、語り部となり、相方、家族、あるいは隣人にまつわる出来事が「淡々」と綴られていく。

特に気に入ったのは表題作「頼むから静かにしてくれ」、「でぶ」、「他人の身になってみること」、「あなたお医者様?」、「嘘つき」。

正直同じようなモチーフが何度か登場するが、ジョン・アーヴィングやフィッツジェラルドだって同じだし、それはそれでいいとしよう。