2014年8月25日月曜日

Brian Wilson Presents Smile

今年の夏は意外とプログレでなく、アメリカン・クラシック・ロックを繰り返し聴いている。Beach Boysも随分聴き直した。

その延長線上というわけでもないけど、Brian WilsonのSmileをようやく聴いた。リリースが2004年ということなので、もう10年経過していることに驚く。もうちょい最近かと思った。光陰矢の如し。

この人、思ったより長生きで(失礼)、後追い世代でバイオとか追っかけてると、ドラッグか酒か精神的に参ってしまって自ら人生の幕を下ろしそうな雰囲気をずっと持っていたけど、ようやく持ち直したというか、普通に音楽活動ができて、嬉しい。弱そうだけど強い人なのか。

まぁ、そのおかげでThat' Why God Made The RadioというBeach Boysの新作も聴けたんだから、もう有難いのなんの。

さて、そんなBrianがBeach Boys時代の汚点というか、目のコブというか、「悔い」として残っていたのが、Smileを完成出来なかったこと。そこでのセッションの成果物は断片的に後のアルバムに散り散りに収められ、様々な憶測を呼んだり、後のボックスセットで聴けるアウトテイクなどからも完成していたらどんな風になったかと夢想したりと、その姿が見えない故に伝説として祭り上げてしまっていたと感じる。

そんな問題作がBrianのソロ・プロジェクトとして完成。Beach Boysとしてでないのはいささか寂しいが、バックを支えるWondermintsとは息のあったあいだがらでもあり、気持ち良く制作できたのではないかと想像する。

収録曲を見るとお馴染みの曲目があって、この曲順がSmileかと感慨深くなる。Heroes and VilainsやGood Vibrationと言ったSmileの核となるキラーソングも健在。美しいメロディのSurf's UpもSmileの構成要素かと思うと嬉しい。間奏曲的な小品が挟まり、曲間も一部シームレスな状態で「1枚」として練られているなぁと感じた。

ただ、散々アウトテイクやらで聴いてしまったせいか、究極の1枚というほどのものでもないかな、と。当時のGood Vibrationだってものすごい1曲ですよ。それでも、今こうして当時の青写真がきっちり仕上げられたんだから、それなりの感動はある。

できれば、後にBeach Boys名義で出たSmile Sessionsを聴かずに、こちらから聴いてみて欲しい。