図書館でレコードで借りたイージーリスニングしていない、骨太なJazzな頃のWes。
本作とIncredible Jazz Guitarが代表作として上げられているが、納得の内容。
後年のイージーリスニングな時期もそうだけど、この人は基本的にはアンサンブル志向なんですかね。バンドのアレンジというか、楽曲を活かすというか、自分自身は派手に前に出ず、ドッシリと構えた懐深いプレイがいい。
冒頭のタイトル・チューンを聴いているとそんな印象を持つ。
続くI've Grown Accutomed To Her Faceでは、しっとりとした温かい音色のWesのソロ・ギターを堪能できるバラード。ピックを使わなかったと言われてるけど、確かに音のカドが立たずにいい。
Blue 'n' BoogieはJimmy Cobbの小気味よいリズムが走る軽快な1曲。その上で華麗に舞うWynton Kellyのピアノがいい。続いてJohnny Griffinのテナー・サックスが追っかけて行き、曲を盛り上げる。
ここからB面。Caribaではサックスとのユニゾンの合間に聴こえるチョーキングがいいアクセントになっている。
Come Rain Or Come Shineでは前半Johnny Griffinのサックスが曲をリードしていき、中盤からWesがグイグイひっぱりながらアンサンブルを整えていく。終盤をWynton Kellyのピアノが支配し、その後、サックス、ギターと重なって行きシメるのがかっこいい。
そして、Wes作のスリリングなS.O.S.。ジャー、ジャー、ジャー、ジャージャ、ジャージャーンと上がっていくテーマで小気味よくアルバムを締めくくる。