ついに行ってきましたよ、King Crimson。
なんでも来日は12年ぶりとか。そんな経つのか?今回の会場はオーチャードホール。
夕方から渋谷に繰り出し、グッズ物販に並び、Tシャツをゲット。ライブ会場でもの買うこと自体が物凄く久々w 今年のヨーロピアン・ロック・フェス、近年のYES, ASIA, Paulではチケット代だけでカツカツ(涙)。まぁ、今回だって潤沢な資金があるわけではないけど、晩御飯も質素にしてTシャツゲット。
さて、今までも数回、来日する度に観てましたが今回は色々違う。まずは、悪く言うと懐メロ披露。よく言えば、過去の曲を21世紀に演奏する準備が整ったということか(Fripp御大的にw)
今年ゲットしたLive at Orpheumでも過去の名曲を披露していたけど量が少なく、全容を計り知ることが難しかった。
さらに今回の目玉はドラムス3人体制、しかもフロントに陣取るという他のバンドでは決して見られない陣形。これもOrpheumでは、トリプルドラムの真価が分かりづらく、意味ないのではという危惧も。
しかし幕を開けたら、納得の7人編成、このラインアップ。
まずは初めて生で聴く太陽と戦慄パート1。Pat MasterotteがBill Brufordの抜けた穴を埋めんばかりのパーカッション・プレイ。新メンバーのBill ReiflinやGavin Harrison との連携プレイが目をみはる。そして、このメンバーにはヴァイオリンがなくともMel Collinsのフルートがある。しかも合間に君が代を挟み込むサービス振り。かつてここまでオーディエンスに迎合するCrimsonがあっただろうか?迎合は語弊があるけど、いきなり鷲づかみな演奏、演出に酔ってしまう。
DGM Liveに詳細なセットリストがあるのでそちらを参考にして欲しいが、99年のConstrucKtion Of Lightでは、ボーカルラインの部分をすべてMel Collinsのサックスやフルートで新たな装いを施し、オリジナルではTrey Gunnが細かい低音を紡ぎ出していた部分をTony Levinが忠実に、そして骨太に鳴らしていく。今思うと、Levinを見るのはCrimsonとしては96年のダブル・トリオ、その後は99年のBruford Levin Upper Extrimites以来か?
70sの曲を聴いているとJakkoの幾分淡白なボーカルも悪くないなと、少なくともAdrian Berewには悪いけど今回のこのボーカル起用は大正解。まぁ、10年ぐらい前からCrimsonの旧メンバーと21st Century's Schizoid Bandで経験積んでるので、こなれてるんだろうけど。まさか、本家に合流するとは本人も思わなかっただろう。Fripp御大がどんな風に今回のメンツを集めたのか非常に興味深い。
セカンドアルバムのPicture Of City、IslandsのLettersなども飛び出し、心躍る。そして、トリプルドラムが凄いこと。その中でもReiflinが曲によってキーボードでメロトロンパートを再現しているところ。こういうのも今回の布陣の柔軟性が如何なく発揮されていると思う。
そのメロトロンと言えば、やはりEpitaph。この曲だったか、Fripp御大があまり弾かずにみんなの演奏を見ているような場面があり、あれはどういうことなのか気になる。
当然Crimsonと言えばライブで新曲を披露すること。このラインアップでの新曲、Radical Action Part 1〜Meltdown〜Radical Action Part 2 が演奏された。いずれ出るであろうスタジオ新作にどんな形で収まるか楽しみ。
本編最後はStarless。まさか本家の生演奏が拝める日が来ようとは。ただただ、感激。John Wetton不在は寂しいもののこの曲を本家がやる意味は大きい。
アンコールは戦慄パート2と21世紀の精神異常者。精神異常者は、ダブルトリオでの熟れすぎた演奏とは異なり、60sの空気があるところが面白い。ここでは、Gavin Harrison が長いドラムソロを放つ。この21世紀の精神異常者の持つ曲のパワー、魅了に取り憑かれて今日まで至っているけど、Fripp御大だけでなくファンである我々もこの曲に縛られていることを改めて思い知らされる。
こうしてKing Crimsonの名の下にかつての名曲が再演されたんだけど、今回のライブはこれまでのCrimsonとは別格で思い出に残るものでした。