2017年7月6日木曜日

時間的無限大 スティーヴン・バクスター

先日「ブルー・マーズ」を読んだからか、違うSFも読みたいなと思い、図書館でバクスターの「時間的無限大」を借りてみた。

いわゆる「ジーリー・クロニクル」の一幕なのだが、大昔に読んだバクスターの短編集「真空ダイアグラム」と「プランク・ゼロ」で綴られた世界について書かれた中編小説。

宇宙への進出を遂げた人類は一度スクウィームという種族に支配され、その支配から脱したがその後クワックスという新たな種族に支配されてしまっていた。

その世界からクワックスの目を盗んで一隻のタイムシップが1500年前の木星圏に行くためワームホールを通り抜けるところから物語は始まる。1500年昔の地球には科学者マイケル・プールがいて、彼を中心に物語は進んでいく。クワックスの司政官はワームホールを使って未来に行きクワックスの支配が覆されることを知る。そこで1500年昔へ追いかけ人類の反抗を阻止しようとするが…

とにかく設定が壮大で、前述の短編集でもその片鱗がちらほらと出ていたが、1500年前の地球では長寿処理や様々な科学技術があったが、クワックス圧政下ではすべてを取り上げられている。

設定や世界観は好きだが、小説、物語としてはちょっとインパクトに欠ける気もする。