イエスの名誉メンバーと言っても過言ではない、結成メンバーであり、不動のベーシストであった番長クリスのソロ・アルバム「未知への飛翔」を大変遅ればせながらゲット。
今までもディスクユニオンだったり、アマゾンだったり、ヤフオクで幾度となく手に取り買いそうな機会があまたとなくあったにも関わらず、ちょっと考え直して見送るという正直クリス・ファンからしたら愚行とお叱りをいただきそうな行為を繰り返していた。
近年の再発ブームもあり、いつでも入手できるからと、舐めていた部分もある。
しかし、番長が他界してしまった後、今回は新たにデラックス・エディションという装いで登場。自分は2枚組の方を購入。
そして、聴けば彼こそイエスを担っていたことが、ひしひしと分かる名盤。
旧友、アンドリュー・ジャックマンをオーケストラ・アレンジメント、指揮に招き、かつてのバンドメイトのビル・ブルフォードをドラムに、当時のキーボーディストであるパトリック・モラーツや、既にセッションマンとして活躍していたメル・コリンズをレコーディング・メンバーに迎え、彼らしい質実剛健な1枚に仕上げている。
面白いところは、ギタリスト不在である部分。番長のベースの存在感も大きく、オーケストラがいい具合に効いていて変にエレキギターをかぶせる必要もなかったと思われる。それでもいくつかの曲ではクリスがギターを弾いているのもあって興味深い。
ボーナス・トラックとしてアラン・ホワイトとイエス休止中に作ったRun With The Foxが追加されており、これも彼らしい牧歌的な部分が出た歌で、91年のボックス、イエスイヤーズで初めて聴いたときも感動したものだった。
自信の音楽活動はほとんどイエスに費やしていただけに、このソロは貴重。