原題、Nine Objects for Desire。スザンヌ・ヴェガ5作目のアルバム。プロデューサーは前作に続き、ミッチェル・フルーム。ライナーノーツによるとこの頃すでにミシェル・フルームとの間に子供(娘)が生まれ、その後結婚したとのこと。
そういう変化、過程を踏まえた内容の曲も多い。
サウンド面では前作で打ち出した尖がったインダストリアル・フォークを継承しつつも、一歩ひいた落ち着いた印象を受ける。
冒頭のBirth-DayやCasual Matchなどは前作風路線。
雰囲気ある怪しいベースラインから始まるHeadshotsは音を入れすぎないアレンジがいいと思う。
Caramel は後のベスト盤にも収録される両曲。ストリング風のアレンジか目立つけど、エレキの弾き語りがベースになのでシンガーソングライター然と聴こえるのが心地良いのかも。
初期から3作目までを彷彿とさせる曲もあり、サウンドは変遷しながらもこれまでの延長であることを認識できる。特にWorld Before columnbus、Honeymoon Suitのようなアコギが目立つ曲があると安心する。
ちょっと珍しいピアノリフで始まるTombstoneなんかはもっとカンカンコンとしたインダストリアル・フォーク的アレンジのほうがクールかも。
緑を基調としたジャケットは彼女のアルバムの中でも珍しい。前作、本作以外はモノクロが多いイメージ。その点ではブライアン・アダムスも似た傾向がある。
自分がリアルタイムで買った最後のオリジナル・アルバム。その後、1枚もののベスト盤やDVD付のRetrospectiveなどはリアルタイムで買ったけど、他は買ってないですね。