2025年9月13日土曜日

プレス・トゥ・プレイ | ポール・マッカートニー

プレス・トゥ・プレイ - ポール・マッカートニー

86年リリース。ちまたの評判も良くないが、自分も確かにポールのアルバムの中で「聴かない方」のアルバムであることは間違いない。

ヒュー・パジャムによるプロデュース、10ccのエリック・スチュワートとのコラボなど話題性はあったけど、この時代に迎合しようとしたのが裏目に出たのか、仕上がりとしてそんなに面白くない。

冒頭の「ストラングル・ホールド」とか「オンリー・ラブ・リメインズ」などポールらしいメロディ光る佳曲もありながらも、他の曲はさほど心躍らない。
それでも「トーク・モア・トーク」とかは意外と耳に残るし、素材としてはいいものもあるんだろうけど、料理の仕方が良くないのか。

'93年再発時にボーナストラックとしていくつか収録されているけど「スパいず・ライク・アス」とか、なんだか頑張っているけど空回りしている雰囲気もあり、たとえば、これがウイングスで仕上げたらまた元気でゴキゲンなロックになったなじゃないかと思える。

とにかく80年代のポールのスランプの極みたいに言われているけど、本当に'89年の「フラワーズ・イン・ザ・ダート」で復活するまでは色々あがいていたんだと察する。

ボーナストラックだけど最後を飾る「ワンス・アポン・ア・ロング・アゴー」は制作時期が少し後なだけに、プレス~のようなサウンドにはなってなく、メロディも流麗で完成度も高い。こういうの聴くとさすがポール、天才!となる。