99年リリース。90年代の集大成とも言えるアルバム。
まず、簡単に言うと名作。プログレ、ダンス、アコースティック、ポップといつもながらの多彩な音楽性なのだが、捨て曲なし。ライブでの定番曲も多く、全曲良い。本当に脂が乗っているとはこのことかと思う。
オープニングナンバー、Hysteric Psychedelic ∞はビートの効いたダンス調のナンバー。珍しい曲調でアレンジこそ振り切っているが、歌メロがいいから耳に馴染むし、根っこはアルフィーサウンド。
続く、Dark Side Meditationは「夢幻の果てに」の収録曲の延長線上にあるような、アルフィー流プログレハードの新たな扉を開けた1曲。変拍子が凄いというとこに目がいきがちだが、終盤のオープニングと同じような変拍子だが、ノリが変わってくるから奥深い。歌詞にも「あなたがここにいてほしい」とピンク・フロイドの炎へのオマージュのような表現もあって面白い。
そして、シングル曲「Justice For True Love」。劇場アニメ金田一少年の事件簿の主題歌。自分はちゃんと劇場で観ましたw シングルバージョンとはエンディングが異なるアルバムバージョン。桜井さんボーカルも素晴らしいがそれが活きるこういうドラマチックな(やや大げさな)展開をさせたら天下一品ですな。
ながらくカウントダウン19XXツアーだったが、1999年も迎え新世紀に向けた新たなテーマと位置付けられたAUBE。Nouvelle Vagueの延長線上にもあるような力強く、美しいメロディのナンバー。
横浜FCのオフィシャルソング、Wings of Freedom。シングルは試合会場限定での発売だったような。そのためにわざわざ観戦に行った記憶がある。同じテーマ曲ならやっぱりVictoryの力強さが好きだなぁ。
D.D.D!はドナルド・ダックをテーマに、No.2について歌ったコミカルなナンバー。ライブではディズニー公認のドナルドギターを弾き、盛り上がりは凄い。
そして坂崎師匠のアコースティックギターが冴える、From The Past To the Future。愁いのあるイントロから導かれ、坂崎さんの乾いたボーカルが心に染みる。終盤のコーラス部分も秀逸。アルフィーのアコースティックナンバーでも屈指の名曲。
The Wayは当時のライブ本編最後に演奏されてたような...もう四半世紀も前なので記憶もおぼろげだが。前年の「明日の鐘」のに位置するような壮大なナンバー。桜井さんがとくとくと語るように歌う印象が強い。
アルバム最後を飾るのは、TVドラマ「サラリーマン金太郎」の主題歌だった「希望の鐘が鳴る朝に」。イントロからして何か始まるような予感、桜井さんの力強い声で歌われる前向きなメッセージ、サビの重厚なコーラス、アルフィー・サウンドの神髄のような1曲。ドラマも人気だったから、相当売れたんじゃないかな。
初回盤は8cm CDのボーナスディスクがついていて、A.D.1999の当時のツアーなどでアレンジされてたバージョン。ドラマ内のインストでも使われてた情熱的なメロディーのギターラインが光るMoonlight Fairy。Decadanceはサビの4つ打ちリズムがライブ映えして楽しい。