フラニーとズーイーを探している間に見つけたケン・フォレットの新作長編。すでにIV巻まで出ている。
かさばるなぁと思ったのでKindleで検索したがまだ電子化されておらず。まぁ、いいかと思い乙一のThe Bookと共にゲット。
さて、これは第二次世界大戦に絡む様々な国の様々な家族、人物を描いた群像劇。
ケン・フォレットが得意としているスタイルで、登場人物から「巨人たちの落日」の続編であることがわかる。なんでも、「巨人たちの落日」から100年物語3部作と銘打っているので本作が2作目になるもよう。
久々なので、前作の登場人物の細かい部分を忘れているけど、正直前作を読まなくとも楽しめる。
あれから時代が流れてそれぞれの家族の子供たちも登場。しかし、時代はファシズムが台頭する暗い時代。
本書を読んで軽く衝撃を受けたのは、イギリスでもファシズムの風が舞い起こっていたこと。今さらながら不勉強極まりない。ドイツ、イタリア、スペインだけでなく、あのイギリスにもそのような政治的兆しがあったことをまったく知らなかったので、小説というフィクションとは言え大変参考になった。
時代のせいとするにはあまりにも残酷な世界となるよう、そういった「狂気」に人は惑わされてしまうものなのか?
そんな厳しい時代でも、やっぱり人は誰かを好きになって心身焦がしながら、一喜一憂する。「愛」だけで世界は救えないかもしれないけど、「愛」なくして世界は明るくならないなぁ、と思ったり。
まだ1冊目だけど「凍てつく世界」、原題「Winter Of The World」とはよく言ったものだ。