Apple Years Box堪能中。お次はソロ4作目のLiving In The Material World。
Beatles解散後の実質ファーストソロである3枚組のボリュームで名作とも言われた前作All Things Must Passの次作としてリリースされ、相当注目されていたと思うけど、ここでも自信溢れる(?)会心の出来。
アコースティックギターが牧歌的な色を添えているGive Me Love (Give Me Peace on Earth)で始まるが、ややか細いとも受け取れる歌声が、この曲に大変マッチしている。これを図太い声で歌われると、なんかもう台無し。そこは自分の声質が分かっているさすがのGoerge。
続くSue Me, Sue You Bluesではスライド・ギターがいい味出している。
3曲目The Light That Has Lighted the WorldはNickey Hopkinsの出だしのピアノが、どことなく後年のJohnのMind Gameを思い出させる。このピアノとGoergeのスライド・ギターがいい具合に曲を染めている。
そしてアルバム中で一番好きなDon't Let Me Wait Too Long。軽快で明るいポップ・ソング。ここではレギュラーメンバーのJim Keltner以外にRingoもドラムで参加。
タイトル・チューンLiving in the Material Worldは、なんとも独特な節回しで軽快に歌っているが、現実世界と精神世界について歌ったインドに傾倒していた彼らしい1曲。ここでもRingoが参加。
アルバム後半に入り、The Lord Loves the One (That Loves the Lord)ではJim Hornによるサックスやブラスが厚みあるサウンドに仕上げている。ここでもスライド・ギターを惜しみなく披露するGoerge。ライブ映えしそうな良曲。
Johnがアコギで弾き語りそうなBe Here Nowも素晴らしい。Beatles時代のサウンドとは一線を画している感じのGoergeだけど、曲作りという面で見ると兄貴分のJohnの影がちらついている感じがして興味深い。
全編セルフ・プロデュースと思いきや、Try Some, Buy SomeだけはPhil Spectorと共同プロデュース。ウォール・オブ・サウンドは健在。
締めくくりはThat Is All。一転してWings時代のPaulがやりそうなバラードを披露。ファルセットも交えながら切々と歌い上げるラブ・ソング。ストリングもあり、それこそSpectorが手掛けそうな作品だがここはGeorge本人のプロデュース。
どことなくとぼけた感じのDeep Blue、南部っぽいMiss O'Dell、Bangla Deshがボーナス・トラック。