- Muskrat Love
- Wind Wave
- She's Gonna Let You Down
- Rainbow Song
- Submarine Ladies
- It's Life
- Hat Trick
- Molten Love
- Green Monkey
- Willow Tree Lullaby
- Goodbye
Americaのサード・アルバム。前作に引き続きセルフ・プロデュース。初期2枚がCSNY風なアコースティック押しだったところからの脱却が伺える。
ドラムにHal Brainが参加している他、Eagles加入前のJoe WalshやBeach BoysのCarl WillsonやBruce Johnstonが参加している。
冒頭のMuskrat Loveはオリジナル曲ではなく、カバー。知らなんだ。シングルカットされ、ベスト盤にも収録。
Gerryらしい甘いバラードのShe's Gonna Let You Down。ストリングが施されている割には何故か地味目だが、その奥ゆかしい感じがいい。
Rainbow SongはDeweyによるAOR風な1曲。やっぱりアルバム全体が地味目なアレンジだが終盤のTom Scottによるサックスソロが聴きどころか。PaulのListen What The Man Saidの雰囲気が急に蘇る。この人はパワフルだよな。もうちょい全体的にバンド・サウンドであればよりマッチするか。
Submarine Ladiesは、Crosby & Nashがやりそうな牧歌的なフォークロック。このStills抜きサウンドを狙ってやってるとしたら凄いね。足さずに引くアレンジ。
タイトル曲Hat Trickは約8分の彼らには珍しい長尺。しかし、聴いてみればなんのこともなく3人の小曲をメドレーっぽく繋げたもの。歌詞をつぶさに聴いていないけど、出だしのソフトな曲調からピアノのコード弾きを挟んでの「Just a little of nothin'」で始まるセカンド・パートのポップさがいい。そして、またピアノのコード弾きを挟み初期ジェネシスのように小パートに次々と移っていく部分は面白い。その割には仰々しいエンディングなどなく、普通に終わるから、拍子抜け。それも彼らの味か。Beach Boys組のコーラスは正解。
9曲目のGreen Monkey が本作中一番元気か。ただアコースティックのみを売りにするのではなく、こういったロック・サウンドもできますよと、アピール。Joe Walshはこの曲に参加している。ということはWalshの功績か?唐突なエンディングは笑う。
ラストを飾るGoodbyeは、Gerryの手によるポップな小品。これでバンドが終わらなくて良かったよ。