- "Ventura Highway"
- "To Each His Own"
- "Don't Cross The River"
- "Moon Song"
- "Only In Your Heart"
- "Till The Sun Comes Up Again"
- "Cornwall Blank"
- "Head and Heart"
- "California Revisited"
- "Saturn Nights"
'72年リリースのAmericaのセカンド・アルバム。元々US出身の彼らだが家族の仕事(軍隊)の都合でUKで活動、デビューしていたが、本作ではロスでレコーディングということで里帰りの意味も込めてアルバム・タイトルとしたのかと思われる。
ファースト・アルバムのプロデューサーでレコーディングするかと思いきや、いきなりセルフ・プロデュース。ドラムにHal Brainが参加していたとは知らなかった。
特筆すべきは軽快なアコースティックギターのリフが光る、冒頭のVentura Highway。最初に聴いたのは、History: America's Greatest Hits(邦題:アメリカの歴史)というベスト盤だったが、初めて聴いた時の感動は凄かった。アコギの気持ち良さ、爽やかさを具現化した傑作。ベスト盤では本作収録のDon't Cross The Riverとクロスフェードする演出だったが、ここでは普通にフェードアウト。
グループのバランスが一番取れていた時期かと個人的には思っていて、その証拠に3人の曲がそれぞれチャートインしていることが挙げられる。Ventura HighwayはDewey Bunnell、Don't Cross The RiverはDan Peek、Only In Your HeartはGerry Beckleyと各人Americaを代表する曲を書いている。
他の収録曲の出来映えも良く、2曲目のTo Each His OwnはどことなくMonkeesのI Wanna Be Freeを彷彿とさせるが、彼らならではの柔らかさが全面に出た佳作。
PeekによるDon't Cross The Riverはカントリー・テイスト溢れるアップテンポな曲。コーラスも格好良い。Eaglesっぽいウェストコースト・サウンドに通じている。
CSNYの影響も色濃く、4曲目のMoon Songは間奏のギターソロがStephen Stills - Neil Young節全開で相当好きなんだなぁというのが伺える。このギターは前作のThree Rosesのイントロに匹敵する白眉の演奏。CSNY臭でいうと、7曲目のCornwall Blankのエレキ主体のアレンジがそんな感じ。
名バラードOnly In Your Heartはやはりエンディングが面白い。あれを当初、蛇足だなぁと感じていたが繰り返し聴いているうちにあれで終わらない形はあり得ないぐらいになってしまっている。
ライブ映えしそうなCalifornia Revisitedといった隠れた良曲も、アルバム全体のレベルを上げている。