先月ブッコフ寄った際にCSNY本と一緒に買ったSF小説。
はてなか何かの面白いSF小説で取り上げられていたので、読もうと思っていたので丁度いい。2冊で500円。
元々はUSのKindleストアで自費出版された作品で、口コミで話題となり出版契約もされ、こうして極東の島国の言葉にも翻訳され、読まれているのだから、何がどう転ぶかわからない。
簡単に言うと核戦争後の人類が絶滅寸前の世界の話。俗に言うポスト・アポカリプス物というジャンルか。よくある管理社会が舞台ではあるが、人々はサイロと呼ばれる地下120階ほどの階層を持つ大きな建造物の中で暮らしている。
他の小説にはない圧倒的な謎が、罪人が汚染された外世界へ出て外を映し出すカメラを清掃する罰があること。300年近く、いずれの罪人も必ずカメラの清掃をしてから、外の汚染で死んでいく。
そんな中、保安官に任命された女性が無実の罪を着せられ清掃に出されるが、彼女は清掃せず、汚染にも命を奪われることなく遠くへ歩いていく…
そういうことをきっかけにサイロに様々な混乱が生じるのだが、後は読んでからのお楽しみ。
ITの権力者というのが、これまた色々考えさせられる役割で、物語上悪役なんだろうけど、秩序を守る立場というものがある。とは言え苦々しいほどの杓子定規な立ち振る舞いに苛立ちながらも、そういう損な役回りにはなりたくないものだと思ったり。
本作で一区切りつくものの、シリーズとして3部構成となっているようで、続編も読みたい。