- "Night Lights" - 4:53
- "Morning of the Carnival" (Luiz Bonfá, Antônio Maria) - 5:27
- "In the Wee Small Hours of the Morning" (David Mann, Bob Hilliard) - 5:34
- "Prelude in E Minor" (Frédéric Chopin) - 4:11
- "Festival Minor" - 6:45
- "Tell Me When" - 4:06
Amazon Prime Musicで聴けるJazzの名盤。今回はGerry Mulligan SextetのNight Lights。
ちなみに、Kindleで読める無料のジャズ・ディスクガイド、ユニヴァーサルの100枚は中身はあっさりしているけど、次に何を聴こうかと迷うときにはいい水先案内人となるので、オススメ。
さて、Night Lightsはまずジャケットが素晴らしい。最近は随分慣れてきたものの、文字だけバーン!、冴えない(失礼)ポートレートをドーン!じゃ、ちょっと手に取る気がおきない。でも、結構そういうのが多いのでそういうものかと思ったりして、慣れてしまった。でも本作は珍しくそれっぽい絵画のジャケットでこの雰囲気から気になってしまう。
その綺麗なジャケットと違わぬ夜の美しい音楽が詰まっている。出だしのタイトル曲Night LightsはGerry Mulliganのピアノ演奏が冴える名曲。驚いたのは彼の本職がバリトン・サックスであるということ。このアルバムの大抵の曲はバリトン・サックスを吹いている。でもこの綺麗なピアノ、いいですね。Bill EvansやThelonious Monkはどこか普通でないギリギリな感じでの危ういバランスの上で鳴らす音のように感じるけど、Mulliganのにはそういったのとは別な繊細さが感じられて、ほんとジャズ・ピアノも色々だなと思う。
"Morning Of The Carnival"はMulliganのバリトン・サックスとArt FarmerのトランペットがメインだがギターのJim Hallの派手さはないけど存在感のある演奏が全体を支えている感じがする。
"In The Wee Small Hours Of The Morning"ってどういう意味だろうと調べてみたら 、夜中の1~3時の時間帯を指すそうな。日本では言い回しを気にせずにその時間帯を指すならば丑三つ時とかになりそうだが、そんな邦題つけたら台無しだなとw そんな時間に相応しい優しい演奏。少々早いが寝起き前のまどろみのような1曲。
ショパンの前奏曲も生粋のジャズ曲かのような代わり映え。映画音楽のような仰々しくも甘ったるい感じが全くないので、好き。
Prime Musicではボートラでタイトル曲の再録('65録音)バージョンが含まれている。Mulliganはクラリネットを吹いているが正直蛇足な気がする。まぁ、ボーナストラック好きな自分が言うのもなんですがw
本作のベースはBill Crow。おー、こんなところで出会えるとは。彼のことについては、自著(村上春樹訳)の「さよならバードランド」に詳しいので、ジャズ好き、音楽好きにはオススメです。このアルバム全体に感じられる押し付け気味でない控えめな優しさは彼の人柄にも通ずる感じがして、Mulliganの人選に思わず膝を打つ。
どれもいい曲で捨て曲なし。これはBlues-Etteと共にアナログ盤が欲しい作品。