2016年6月20日月曜日

Spectral Mornings - Steve Hackett

Hackett先生のサード・アルバム。

出だしのEvery Daysは80s Gerryを彷彿とさせる明るいポップな1曲。とは言えライトハンドのフレーズを織り混ぜたり、サステインを効かせたりとギター・サウンドも凝っている。

美しいアコギで始まるThe Virgin and the Gypsyは、John Hackettのフルートも素晴らしい。Rolandのギターシンセも使っているようだ。

そして東洋的なThe Red Flowers of Tachai Blooms Everywhereでは、琴も弾いている。この辺の使い方はSteve Howe師匠にも通ずるところがある。

Clocks – The Angel of Monsでは時計のチクチクを刻む音をイントロや合間に入れながら、いつものHackett的な泣きフレーズや、弦をスクラッチしているようなノイズもアクセントに使いながらドラマチックな展開を聴かせてくれる。

どことなく、I Know What I LikeっぽいThe Ballad of the Decomposing Manでは自らボーカルもとっている。

Lost Time in Córdobaは再びJohnのフルートをフィーチャーした小品。

そして本作の一番の聞き所だと思うTigermothは、変拍子、不思議なシンセ、尖ったギター、Genesis風のシアトリカルなボーカル、などGenesisの英国人気質をまとったHackettならではのプログレ。

ラストはタイトル曲、Spectral Mornings。Nick Magnusによる分厚いキーボードの幕にHackett泣きのギターが絡んでくるインスト。

このレコーディングメンバーでバンドとしてツアーに出ており、Premonitionsボックスにも'79のツアー音源がいくつか収録されている。