アマゾンKindleでハヤカワSFセール中に買った小川一水の「時砂の王」。
現時点では、今年一番の本。
26世紀の未来からETの侵略を防ぐために過去に送られる知性体。その一人であるオーヴィルの物語。物語はA.D.240年代の卑弥呼の時代。ということでタイムトラベルものではあるが、こういう切り口で来たかと感心することしきり。
「時砂の王」は敵も過去に遡り人類抹殺に優位に立とうとし、そのイタチごっこのような展開になっているも、オーヴィル達知性体は決して不死ではないので、戦いに敗れ死んでいくものも多い。そんな中で時間改変の結果26世紀より早い時代から送られてきた知性体も出てくるが、その時間軸でも決してETに対して有利になっていない人類なので、過去へ過去へと遡っていく。
タイムトラベルものにありがちな虚しい終わり方ではなく、一定のゴールに達して物語の幕は閉じる。
後は読んでみてのお楽しみ。
さすが小川一水。こりゃ、天冥の標の残りも相当なことになりそうだ。