実に久しぶりに聴いてみた。
アメリカというと正直どうしても初期の方が、曲に力があるというか自然に彼らのいいところが形になっていて好きなんだけど、後期になってくると時代の流れに合わせるためか余計なアレンジというか、元々の彼らならやらなそうなことを盛り込んでくるので、聴いていても馴染んでこない部分もあった。
改めて聴いてみて、勝手にイメージしているアメリカらしくないものの当時のポップス、ロックとしては悪くない、と気づいた。
特にベースが効いている。2曲目のSlow Downなんか、ちょっとディスコ風というかファンクっぽさあるベースが曲の魅力を引き上げているんじゃないかと思う。
シタールっぽい音色が妙に合うPolitical Poachersなんかも面白い。
Hurricaneはもう少しエレキギターが前面に出るとイーグルスっぽくなるかっこよさがあるんだけど、その一歩が足りないような。でも、曲名であるハリケーンを連想させるようなSEが入るなど細かい工夫がみられる。
プロデューサーがあのジョージ・マーティンだからなのか、そういう意味でアレンジの引き出しが多い。
ベスト・トラックは「Now She's Gone」かな。これもアメリカン・ロックっぽい勢いがあって良作だと思うけど、なぜかシングルカットされていない。
改めて聴きなおして、やっぱりジャケットが表すようなソフト・ロックであり、なごみなども感じられる。それ以上のアクや刺激を求めるのが違うのかも。
このアルバムで、ダン・ピークが脱退。この後、彼らは解散せずにデュオとしてアメリカを続けていく。