2023年3月24日金曜日

ソリッド・グラウンド | ボビー・コールドウェル

ソリッド・グラウンド

先日、ミスターAORボビー・コールドウェルがお亡くなりになりました。
AORはそれほど幅広く聴いてはいないですが、彼の作品はアルバム「ハート・オブ・マイン」が気に入ったこともあり、何枚か手に入れて聴くほどには好きでした。元シカゴのピーター・セテラがカバーしてた(というか先にそちらに提供ですかね)ネクスト・タイムも大好物。

訃報を目にしてから最近それほど多くはない手持ちのCDを聴きなおしてて、偲ぶ意味も込めて今までレビューしてなかったアルバムを振り返ってみようと思う。
この「ソリッド・グラウンド」は「ハート・オブ・マイン」の次のアルバムで、USでの原題はStuck On Youなのだが、何故か日本盤では「ソリッド・グラウンド」になっている。あまりこの経緯をネットとかでもみたことないけどご存知の方いらっしゃるでしょうか?

さて中身ですが、クールでお洒落でそれでいて特別に最先端ではなく昔から聴いているような音、こう書いていくとどのアルバムもそう形容してしまうんですが、やっぱり良いです。

冒頭の「Don't Lead Me On」の流れるようなメロディに心わしづかみされます。
ボビーならではの「黒さ」も健在で、「Cry」では粘っこく歌いあげる様がブルー・アイド・ソウルと言わるのもうなづけます。
「Don't Give Me Bad News」は異色とまでは言わないまでも他よりは随分ポップな、それこそドン・ヘンリーが歌いそうな雰囲気のあげる1曲。
これとは違う意味での軽快さを放つ「Solid Ground」。レゲエっぽさがありながらもボビー節なのがいい。
マリリン・スコットとのデュオ「Back to You」はサビが素晴らしく、元々印象的なメロディがデュエットで力強く表され、その対比でBack To Youと歌い終わる部分の切なさも際立つ。
どの曲もなかなかの粒ぞろいで、ジャケットアートの素晴らしさも心に染みるしっとりとした時間が堪能できます。