2013年9月7日土曜日

駆け足の人生 - Eagles

結成秘話から解散、再結成から今に至るまで、彼らの軌跡を赤裸々に留めた、まさに「ドキュメンタリー」な内容。

単に彼らの音楽を聴いているだけではわからない部分がよく出ていて、これまでのイメージ以上にGlen Freyのリーダーシップの強さだったり、Joe Walshのホテル壊しなどたかの外れたロック野郎であること、など生身のEaglesが確認できる。

メンバー交代にまつわる部分は、他のバンドでもよくある理由のように音楽性の相違が大部分。

頂点があれば、当然そこから先が下り坂となるんだけど解散前のステージでのやり取りが恐ろしい。こうなると解散以外どうにもならないと思う。最後に加入したメンバー、Timothy B. Schmitは本当に気の毒なぐらい当惑している様が伺えて、つかんだと思った成功が消えてゆくところを目のあたりにしているんだからショックだと思う。

2枚目が再結成に至る過程と再結成後から現在を描いた部分。昔よりみんな大人になったし、音楽へののめり込み方も決して劣っていないことわかるし、なによりメンバー全員がEaglesが大事なバンドであることが、ひしひしと伝わってくる。

問題のFeldar解雇について双方の意見が取り上げられており、言い分についてもまぁよくある話の範囲ではあるかと思う。解雇、という決定的な結果となってしまったことは本人たち、またファンもものすごく残念ではあるかと思うし、マネージャの証言にもあったようにFeldarは「バンドのピュアなあり方=メンバー全員が公平であること」を希望し続けてしまったために、溝が生まれ、こういう結果につながってしまったというのがよくわかる。

他のバンドでも音楽的なリーダーというのが存在し、民主的なバンドだからといっていい音楽が追求できるわけではないことは我々は知っている。BeatlesもJohn, Paulがひっぱっていったし、CrimsonはFripp御大がその方向性を決めていた。独裁的・独善的というレッテルを貼られようが、やりたい音楽のためにバンドのあるべき道を決めて進んでいくことを自らに課しているのだから、冷徹にもなる必要があるのだろう。

ちょっと前まではGlenが悪いのかなと考えていたんだけど、これを見るとそういう部分も幾分払拭される。プロ・ミュージシャンであれば、ギャラに格差があるのは当然なのだから。とは言え、同じ釜の飯を食った仲間に対してはあまりにもつれないという印象はどうしても拭いきれないのは事実。80sをがむしゃらに突っ走ってソロキャリアを積んできたGlenはそういう批判も受け止める覚悟があるのだろう。

そういう暗部についてもつつみ隠さず出すところが本作のいいところなのだろう。間違いなく、アメリカを代表するロック・バンドであり、数々の名曲を生み出してくれた素敵なロック・バンドが、バンドたろうとするところが存分に堪能でき、Eaglesファンとしては買ってよかったと思います。

輸入盤Blu-ray買ったけど日本語字幕ありでした。