- "Hotel California"
- "New Kid in Town"
- "Life in the Fast Lane"
- "Wasted Time"
- "Wasted Time (Reprise)"
- "Victim of Love"
- "Pretty Maids All in a Row"
- "Try and Love Again"
- "The Last Resort"
彼らの代表作にして、アメリカン・ロックの代表作、70sという時代の代表作でもあるHotel California。
冒頭タイトル曲はこれまでのEaglesの集大成的な仕上がりとなっており、Don Henleyのボーカル、イントロの12弦ギターのフレーズ、エンディングのギターバトル、そして「1969よりSpiritsを切らしております」、「いつでもチェックアウトできるのに、決して出て行くことができない」というフレーズを含む斜陽を感じさせる歌詞、とにかく色々いいところはあげられるんですが、とにかく曲を聴きなさい、ということですね。
本作からBarnie Leadonの抜けた穴をJoe Walshが埋めており、James Gangというバンド出身の彼の参加により、さらにロック色を強め、ギターアレンジもさらにレベルがあがり、ここにEaglesの頂点があるというレベルに達したと思う。
シリアスなHotel Californiaに続く、エレピのイントロで始まる、明るい曲調のNew Kid In Town。Glenn Freyの哀愁ただようボーカルが昔のEaglesを感じさせ、ノスタルジーな感じが全体を包みこんでくれる。
そしてJoe Walshの参加が光るLife In The Fast Lane。タイトル曲と並ぶFelder/Walshを中心としたギターバトルがかっこいい。ここまでたたみかける3曲は素晴らしい。この曲でのDon Henleyがドラムを叩きながら歌う様がなんとも言えずかっこ良く、惚れてしまう。
ストリングアレンジがDon Henleyのボーカルを盛り上げる、Wasted Time。
同曲リプライズは挟み、ソリッドなVictim Of Loveが続く。これなんか今思うとPhil Colinsもやりそうな曲(そういえば彼もドラマー兼シンガー)だけど、ほんと叩きながら歌うのが様になるDonはかっこいい。
新加入のJoe WalshによるPretty Maids All...もEaglesナンバーとしてまったく違和感ないミドルテンポのナンバー。この辺はプロデュースもうまいのかどうか分からないけど、元々様々なライターによる曲をうまく溶け込ませる手腕があるのだろうと思う。
ヒットとなるとツアーも続き疲弊していくメンバーだが、本作を最後にRandy Meisnerが脱退。彼のペンによるGonna Try Love Againは自分の中でのEaglesベスト5に入る傑作・名曲。彼独特のハイトーンボイスによる甘い歌声、バックの暖かいアコギのストローク、合間を埋めるきれいなエレキのフレーズ、分厚いコーラスとギターバッキングによるエンディングにEaglesのたそがれをかぶせてしまい、Gonna Tryというフレーズが叶わないと知ってかバンドを去ってしまうRandy。家族といる時間を大事にしたいということで、全うな人間、父親なら真剣に考えるであろう問題だが、バンドの売れどきというのと天秤にかけた時に、バンドをとらなかった彼の人間臭さ、ある意味弱さに思い入れてしまうのだったりする。
アルバム最後を締めるLast Resortは、さざなみのように寄せるピアノによる美しいイントロからDonによるボーカルが続き、徐々にバンドが音を加えていく巧みなバラード。Hotel Californiaと並び、当時のアメリカを歌い上げたとも言える歌詞に後追いながらも感慨深いものがある。
ジャケットも秀逸。タイトルネオンの"H"の筆記体はしばらく真似て使うなど、青臭くて恥ずかしいけど、極東の若造がリアルタイムでなく後追いで聴いてたんだけど、当時はさほど意味など分からなくとも耳から染み渡り、やっぱり10代に聴いていた音楽だけに今でも体に染み込んでます。そういう意味でもやっぱり本作は"Ever Green"な作品なんだと思う。