- "The Long Run"
- "I Can't Tell You Why"
- "In the City"
- "The Disco Strangler"
- "King of Hollywood"
- "Heartache Tonight"
- "Those Shoes"
- "Teenage Jail"
- "The Greeks Don't Want No Freaks"
- "The Sad Café"
真っ黒なジャケットに文字だけの幾分重々しいラストアルバム。
前作ヒットによるプレッシャー、ツアーに明け暮れた疲弊もあってか、完成までに3年要した問題作。
冒頭のタイトル曲Long Runはどことなくノーテンキな感じのDonのボーカルが無駄に明るいが、それとは裏腹にバンドが崖っぷちな状態なんだから皮肉なもの。
前作で脱退したRandy Meisnerに代わりTimothy B. Schmittが参加。どこでも語られてますが、彼の元バンドPocoでも彼はRandy Meisnerの後任として加入したわけで因縁めいたつながりがある。
後任として入ってきただけにハイトーンボイスのベーシストとして、その力量に問題はなく、早速I Can't Tell You Whyでその真価が発揮される。エレピでイントロ、印象的なベース、そしてクリアーなハイトーンボイスによるボーカルで繰り広げられるバラード。間奏、エンディングのギターソロも無駄な音がない、と断言してしまうほど練りこまれたアレンジ。正直、捨て曲もあるアルバムだがこの曲があるからアルバムとして出せるレベルにあると言っても過言ではない。
Joe Walshが声を張り上げるIn The City。フランジャーなのか揺れるギターサウンドがどことなく時代を感じさせる。
正直、あとはHaertache TonightとラストのSad Cafeを除くとさほど紹介するに当たらず。
3年かかった生みの苦しみがそのまま、バンドの行き詰まり感をあらわしていると思う。全体を覆う閉塞感もいたしかたないか。
それでもバンドの幕を下ろすバラード、Sad Cafe。イントロのエレピのコード弾きがいくつか鳴ると「もう終わるんだな」と感じさせる空気があたりを包み、最後に相応しいきれいなコーラス、内にある何かを吐き出すかのように盛り上がりを見せつつ、「終わりたくないんだ」とフェードアウトしていくサックスによるエンディング、と素晴らしい。
後のボックスセットでアウトテイクなどが聴けるが正直さほどありがたいものでもない。
こうしてEaglesの歴史が一旦閉じてしまう。