2016年11月4日金曜日

幼年期の終わり - アーサー・C・クラーク

Kindleセールで勢いでポチッてちまちま読んでいたSF古典だが、ようやく読み終わった。

天冥の標もスケールが大きいが、本作も壮大なストーリーが語れており、こうやって2010年代に初めて読んだ読み手としてまったく古さを感じさせない構成に感心するばかり。

ある日地球に宇宙船と思われるものが出没し、長くはその姿を見ることなく、地球上の政府をひとつにし、争いの起きない世界へと変貌させていく。

数十年後オーバロードと名付けられた宇宙からの監督者の姿があきらかとなるが、それはこれから起きる人類の新たな進化への導入に過ぎなかった…

この手の話は謎の存在が明らかになった途端、興醒めというかテンションが落ちて行くのが多いと思うが、意図してだろうがオーバーロードと人類の交流のようなものなく、子細は明らかにならずに話を進めるのがポイントなのかもしれない。

最後にオーバーはが地球に来た目的が明かされるが、人類にとってあまりに残酷な未来の到来の担い手であり、それは彼らよりさらに上位の存在の意思だったりする。

これはもっと早く読んでいれば良かった1冊。