キング・クリムゾンの80sまでのライブ盤について語ってあるムック本。
と書くと簡単に聞こえるけど実際にはコレクターズ・クラブや40周年ボックスなどで夥しい数のライヴ盤がリリースされており、ツアーの1日1日の感想を記すに等しい作業があったかと思うと苦労が忍ばれる。
クリムゾンが好きなんだからいいじゃない、と簡単には片付けられないモノがそこにはある。
そのおかげで、この1冊で宮殿からスリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー期のライブ盤の様子が分かる。
やはり太陽と戦慄期のメンバー間のバランスが崩れる様も垣間見える。ライブ・ボックス「グレート・ディシーバー」のフリップ御大の当時の日記でも記されているように、日に日に凶暴になってくるリズム隊、それに打ち勝てず滅入るヴァイオリニスト、それを立て直そうとするギタリスト、と綱渡りな日々であったこともうなづける。
ライブ盤紹介の合間の、ジャッコやデヴィッド・シングルトンのインタビューも面白い。