後追い世代の入手順から言うと、結構後にゲットした作品。'74年リリースのアナログ2枚組、片面1曲ずつの計4曲の大作。
ウェイクマンは本作の出来が気に入らず、ツアー後に脱退(1回目)。
当時はレコードの制約(片面の収録時間)というのもあって、こういう構成になったんだけどウェイクマンとしては納得していないらしい。CD時代なら1曲の長さも気にせずにまとめることもできたので、メディアによって曲作りが変わるのは必然だなぁと感じる。
大体の人はやはり、1曲目の「神の啓示」か4曲目の「儀式」を推すと思う。自分もそう。2曲目や3曲目の古代文明はちょっと冗長に感じる。悪く言うと引き延ばした感がある。それでも「古代文明」中間のハウ師匠によるアコギの部分などハイライトはしっかりとあり、当時の創作意欲の高さが伺える。
正直体力(気力)が普通以上でないと、通して聴くのが厳しいときもあるが、それでも結構な回数聴いていると思う。
ツアーではやる気のないウェイクマンが「カレーを食べながら、ビールを飲みながら」演奏してたと色んな文献に証言を見つけることができるが、ああいうユーモアもウェイクマンらしい。
アルバムより先にボックスセット「イエスイヤーズ」で「儀式」を初めて聴き、こりゃまた結構複雑な大作だなと感じたことを覚えている。何度も聴いたせいか、今はもう流れが染みついているので恐ろしい。「神の啓示」は冒頭のアンダーソンによる呪文のような歌いだしからおどろおどろしい曲かと思いきや途中から明るい展開というかハウ師匠のギターもきびきびと流麗なフレーズを紡ぎだし、ボーカルものびのびとしたメロディを歌い上げるイエス・ミュージック。本作からアラン・ホワイトがドラムでスタジオ初参加となっているが、ブルフォードの細かく走るようなリズムよりはどっしりとした安定感あるプレイでその上でメンバーが自由にやっている感じ。全体的に疾走感はすくなく、ゆったりとした大河をゆくような曲展開。
続く「追憶」はパーカッシブなプレイから始まり、うねるようなシタールっぽいフレーズが印象的。でもちょっと冗長かな。ウェイクマンも恐らくこういう無理に伸ばしたようなところに納得いってなかったのかと思ってしまう。
「古代文明」は、ハウ師匠のアコギパートが素晴らしい。ソロライブでも本作をコンパクトにギターソロのみで演奏しているが、やはりこの部分はハイライトになっている。
ラストの「儀式」は本作最長の21分越え。それでも展開がはっきりしているので、聴き飽きない。当初、途中のパーカッション中心のパートで飽きていたが、1975年のビデオを見てから印象変わった。そこではアンダーソンやスクワイアも何か大きいパーカッション鳴らして、全員参加の勢いでプレイしている様子がかっこよかった。
アラン・ホワイトが参加して初のスタジオ作品で、本作においてはビルのようなドラミングより、どっしりとしたロック的なドラムが合っているといわれていて、まぁ他のメンバーが好き勝手にやっている感じもするので、そういわれるとそうかなとも思う。
まぁ、初心者・万人にはお勧めしづらいが、イエスミュージックの真髄が詰まっている作品でもあるので、必聴ではあるかなと思います。
2022年8月27日土曜日
海洋地形学の物語
2022年8月26日金曜日
ラダー | イエス
前作から参加のシャーウッドはギター担当となり、前作ゲスト参加のイゴール・コロシェフがキーボードとして正式メンバーとなり、珍しい6人編成。
プロデュースはエアロスミスなどで有名なブルース・ウェアバーン。彼の仕切りがいいのか、今でも愛聴している名作になっている。
残念ながらフェアバーンはミックス前に他界してしまったのだけど、彼との関係がこの後も続いてたとしたらイエスは結構メジャーシーンに返り咲いたんじゃないかと思う。
どの楽曲も良く、捨て曲ないと思う。前作とはクオリティやテンションが違う。ジャケットも安定のロジャー・ディーン。
冒頭のHomeworldはイエスにしては珍しくゆったりと始まり、徐々にいつものシンフォロック全開のスタイルに展開していく、90s風プログレとして大変良くできている。
2曲目のIt Will Be A Good Day (The Ladder)は一転してポップ調だが、これぞイエスというサウンド、コーラスが楽しめる1曲。ハウ師匠のギターもキレがある。アルバム全体に言えることだが、ジョン・アンダーソンの嗜好なのかどことなく南国っぽさというかカリブっぽいテイストがちりばめられているのも、いい風に作用していると思う。アンダーソンの主メロの後ろでCome
tomorrow, Destiny...とコーラスしているのもグッド・ポイント。
続くCan I?はWe Have Heavenのオマージュ。これだけ聴くと?と思うもアルバム通して聴くとさほどおかしくないから不思議。
プログレ的でない曲の良さも本作の売りだと思っていて、6曲目の「If Only You Knew」はイエスがやらなくてもいいようなポップ・バラードだが、ツワモノメンバーがしっかり演奏し、アンダーソンが流麗に歌い上げると一流の仕上りになるといういい例。とにかくメロディ、歌詞ともに楽曲として十二分の良さがあり、それをうまく体現していると言える。It Will Be A Good Dayといい、If Only You Knewといいイエスという色眼鏡を外せば、純粋に良曲。どちらもシングルカットして売れても良かったと思っている。
9曲目「The Messenger」はラビン期の曲でもおかしくないような1曲。
続く「New Language」は出だしこそ、かつての緊張感かつスピード感あるフレーズでプログレ大曲っぽい始まり方だが、一旦落ち着くと本作のトーンにあったミドルテンポの歌ものに突入。ちょっと力抜けるなぁと思いながらもハウ師匠のフレーズもいいおかげで、最後まで聞ける。
ラストを飾る「Nine Voices」はABWHのLet's Pretendを思い出させるアコースティックなアンコール的小品。クロージングに相応しい。
本作はバランス良くポップテイストあってのプログレなので、イエスの50年の歴史における「中興の祖」的な作品だと思っている。
このラインナップ、若手も入って新陳代謝も進んでいいんじゃないと思っていたら、その若手2名が抜けるんだからいけない。コロシェフはまぁコンプライアンス的にアウトなので仕方ないとして、有望なプログレ職人シャーウッドはハウ師匠からしてギタリスト2名体制が気に入らなかったんでしょうか?シャーウッドの師匠筋のスクワイア番長も熱心に引き留めた感じもしないので、この辺のメンバー間のバランスが良く分からない(笑)
シャーウッドも復帰しているので、Nine Voices以外の曲もライブで改めて聴きたいと願ってます。
2022年8月25日木曜日
キーズ・トゥ・アセンション | イエス
'96年リリースの黄金期イエスによるライブ+スタジオ新録という変則的な2枚組。
ロジャー・ディーンの清涼感ある青が印象的なジャケットと帯の「イエス完全復活」という煽り文句が印象的だったのを覚えている。
しかも続編の2も出るということで('98年に出た)、変わった形だなぁと思った。
1の方は内容は悪くない。ライブはかなりオーバーダビングしたそうだけど、パッケージとして整えるならまぁいいんじゃない、と。
アメリカやオンワードのライブ・バージョンを初めて聴いたこともあり、なかなかいい選曲じゃない、うん、と納得してた。
スタジオ録音はビー・ザ・ワンとザット・ザット・イズ。自分は前者はかなり好き。後者は良さが分かるまで結構時間かかった。ビー・ザ・ワンは今ライブでやって欲しいと思っている。
2の方はスタジオ録音はまぁいいとして、ライブがいまいち。というか「危機」がのろくてこれ以降ライブ盤の「危機」を聴くのが怖くなる。この1曲のせいで、2のライブ音源は聴く回数少ないと思う。一応来日公演で聴いているけど、ライブで観るのとCDで聴くだけじゃインパクトが違う。
一方、スタジオ作品はMind Driveは80年代初期、元Zepのジミー・ペイジとのセッションの際に作った作品がベースのものもあるとのことで、そんなに悪くない。
「ブリング・ミー・トゥ・ザ・パワー」はアンダーソンの歌いっぷりが素晴らしい、自分の中では一押しの曲。いかにもハウ師匠というギターのオブリガートもいい。
今のところ、リック・ウェイクマンが関わった最後のスタジオ録音。これがもう四半世紀以上前という事実に、自分も年取ったなぁと思ってしまう。
2022年8月23日火曜日
In A Word
2005年リリースのイエスの5枚組ボックスセット。2001年のマグニフィケイションまでを網羅したイエスイヤーズのアップデート版。
本作も未発表曲が含まれているが、イエスイヤーズの時ほどの衝撃はない。正直、イエスイヤーズや以降のリマスターであらかたよさげな未発表曲は出尽くした感があり、ここでの未発表曲は聴いてもそんなにありがたいものではない。悪く言えば、出涸らし感ある重箱の隅のアウトテイク。
本作は2003年以降のリマスターされた音源でのコンピレーションと2001年までの作品まで網羅したということで一定の評価はあると思う。
選曲も定番は収めながらもイエスイヤーズには含まれなかった長尺曲(シベリアン・カートゥル、神の啓示、錯乱の扉、マシーン・メサイアなど)も含まれ、聴きごたえは十分にある。
2022年8月22日月曜日
イエス・イヤーズ
トークを聴く前に入手していたと思う、イエスの4枚組ボックスセット。90年代はボックスセットの時代の幕開け。
CSNのボックスを初めて買ってその出来栄えにものすごく感動し、それ以来ボックスセットに魅入られる「箱男」と化してしまうんだけど、本作もツェッペリンのボックスとどっちが先か忘れたけど2番目か3番目に買ったボックスセットであることは確か。
とにかく美麗なロジャー・ディーンのアートワークが映える。これはこの大きさだからこそ魅力も増す。
そして、8人イエスまでをつづったバイオグラフィー、ファミリーツリーととにかく音楽もものすごい量だが、付き物の素晴らしさも相まってこれまでのボックスセットの中でも上位に入る気に入りよう。
選曲も未発表曲を織り交ぜながら、長尺曲もばんばん入っており、イエスのベストとして恥じない内容になっている。
今となっていはここでしか聴けない未発表曲もほぼないが、ディスク3に入っているビートルズのI'm Downのカバー(ライブ)とディスク4のLove Conquers All(スクワイア、ビリー・シャーウッドの共作)はここでないと聴けない。
Disc1のゼンやエブリデイズもBBC音源だったりするので、微妙に変えてきているところも嬉しいところ。
2005年にも5枚組のボックスセットが出るが、美麗なアートワーク含め本作の価値は下がらないと思う。
2022年8月21日日曜日
週末雑記
土曜日は買い物。
お昼はエビとアボカドのスパゲッティ。休暇もそろそろ終わるので少し豪華に。
午後は朝ドラ消化。
日曜日は、クリーニング出しにいくついでに軽く買い物。
午後はストレンジャー・シングス鑑賞。
休暇中に、スタジオ練習に行ったり、新しいオーブンレンジでパンや至りしようと思ったけど、ストレンジャー・シングスに夢中で動かず(笑)。
トーク | イエス
自分がリアルタイムで新作として買ったのが本作。武道館の来日公演も行った。(ビリー・シャーウッドがサポートメンバーとして参加)
弱い曲があるのは事実だけど、イエスのアルバムとしてそんな悪くない。強いて言えば、ジャケットはイマイチ。ロジャー・ディーンにするだけで売れ方も変わったと思う。
オープニングの「コーリング」はラジオ受けしそうなキャッチーなハードポップだし、ロジャー・ホッジソンが絡んだせいでアンダーソンは気に入らないだろうけど「ウォール」の出来栄えだって素晴らしい。
帯にあった「危機の続編」みたいな煽りは違うと思うけど、ラビン初の大作「エンドレス・ドリーム」は聴きごたえ十分でカッコいい。あのイントロのピアノの細かいフレーズは凄いね。ライブではラビンが弾いてました。歌までの3分にこの曲の魅力が詰まっていると思う。「同志」にも通じるおおらかな終盤も含め、この大曲はラビン版イエスの到達点とも言える。
個人的には2曲目の「」や6曲目の「ホエア・ウィル・ユー・ビー」もなかなかのものだと気に入っている。
まぁ、トニー・ケイの居所が正直ないんだろうなと思ってたけど、やはりこの後脱退。
ラビンも12年に渡るイエスでの活動に見切りをつけ、本作で脱退。その後映画音楽の世界でも大活躍。2016年にはアンダーソン、ウェイクマンと組んでYES
featuring
ARWとしてもう一つのイエスとして活躍してくれたけど、無理なお願いと分かっていても再度本家イエスに関わることを期待している。プレイヤーでなくてもプロデューサーや楽曲提供だっていいと思う。
2022年8月20日土曜日
90125(ロンリーハート) | イエス
邦題「ロンリー・ハート」。'83年再結成アルバム。
気鋭の若手ギタリスト、トレヴァー・ラビンの活躍が素晴らしい。当時のジェネシス、エイジアと合わせて、ポップに身売りしたぐらいの言われようだったらしいが、本作がなければその後のイエスはなかったと言っても過言ではない重要な作品。
そもそもがスクワイア番長とアラン・ホワイトがトレヴァー・ラビンを誘って新バンド「シネマ」として活動開始していたところ、パーティーでジョン・アンダーソンに聴かせたら気に入ってボーカルを入れることになったという、かなりイレギュラーな制作事情。アンダーソンが歌うならキーボードもイエス関連人脈がいいということでトニー・ケイが引っ張りだされる。途中、U.K.のエディ・ジョブソンが参加してたらしいが、イエスの復活策として売り出そうとするマネージメントの圧力のせいでメンバーとして定着せず。まぁ、カラーとしては合わなかったかもなぁと感じる。
そして、プロデューサーが前作「ドラマ」のボーカルだったトレヴァー・ホーンだからイエスの系譜的にもものすごい「つなぎ」の人事が垣間見えて、前作からの変なつなぎが本作のイエスとしての立ち位置を重要づけている。
タイトル曲は、オーケストラ・ヒットの活用としても代名詞的な名曲。ラビンのソングライティングのポテンシャルの高さもさることながら、この形に仕上げたホーンの見事な手腕。
「変革(Changes)」はプログレっぽさ残る、80sイエスならではの1曲。続くインスト「シネマ」はラビンの弾きまくりギターもさることながら、アラン・ホワイトの走ってるドラムが物凄くいい。これぞ、ロック・ドラマーという感じ。
「ハーツ」はアンダーソン色強く感じるけど、全員が作曲クレジットされており必ずしもジョン・アンダーソン手動の曲という感じではないみたい。
今こうして聴きなおすと「リーヴ・イット」って少々異色な感じだよな、と思う。多分他のラインナップでは出てこない曲だと思う。
ハウ師匠主導の現イエスでは、ロンリーハートをやらなくなっているらしいけど、バンドへの敬意が足りないと苦言を呈したい。師匠なりにイエスのあるべき姿を現すためにセットリストを組んでいるんだろうけど、こういう80sがあっての今があるということを捉えて欲しい。
夏季休暇雑記
月から水までは朝散歩してた。ラジオ聴いたり、音楽聴いたりしながら小一時間ほど歩いた。
月曜日は夕食は焼肉。焼肉きんぐまで出かける。
火曜日は午前中に散髪。
水曜日は青山までドライブ。数年ぶりにFar East Cafeへ訪問。こういう状況なので喫茶サービスはなしでした。手短にグッズを買って帰る。
帰りに大船のライフによって軽く買い物。
木曜は朝から雨降りそうだったのでやめた。金曜ももういいかなと思って散歩なし。雨降ったせいもありずっと家にいた。夕食に次男がバイト先で覚えたエビフライロールを作ってくれた。なかなかいい感じ。
金曜日は午前中にお墓参り。
お昼は納豆めかぶスパゲッティ。
夕食はひじきご飯を作る。好評。
2022年8月19日金曜日
こわれもの | イエス
'71年リリースのイエスの代表作。トニー・ケイに代わりリック・ウェイクマンが加入。いわゆる黄金期メンバーが揃う。
ぱっと聴いただけで音がカラフルになったのが分かる。演奏面と同じくらいモーグシンセなどオルガン以外のバラエティな鍵盤の利用が効果的になっている。
オープニング「ラウンドアバウト」はオールタイムでイエスの代表曲。各メンバーのいいところすべてが出尽くして絡み合っている。前作から加入のハウ師匠がコーラスもやっているが、アンダーソン、スクワイア番長、ハウ師匠それぞれ声質も違っているので、3声コーラスも広がりが感じられ
時間がないためバンド曲とソロ曲が入り混じった変則的なアルバムだが、そういう構成も面白い。特にブルフォード作の「無益の5%」はタイトルに皮肉も込められているし、アバンギャルドな感じを出しながらもカチッとしたプレイなど彼ら示唆が十二分に出ていると思う。
「南の空」は、近年よく演奏されるようになったが、埋もれさせるにはもったいない名曲。
「燃える朝焼け」もこの後ライブのレパートリーに残り続ける定番曲。リフの部分がクリムゾンの「21世紀の精神異常者」の影響を受けていると方々で言われてますが、本作はユニゾンのリフは確かに大きな魅力ではありますが、途中に入るウェイクマンのピアノが緩急つけるブレイクになっていて、魅力を上げていると思う。
ジャケットアートが本作からロジャー・ディーン。まだあの丸っこいバンドロゴはないけど、バンドのサウンドに大変マッチしていて良い。イエスと言えばロジャー・ディーン、ロジャー・ディーンと言えばイエス、というぐらい相乗効果も出てお互いのイメージを決定づけている。アナログ盤は持ってないですが、'97年リリースの紙ジャケ復刻シリーズにアナログ盤に同封されていた小冊子の縮小再現版がついていて、ロジャー・ディーンを使ったバンドのイメージ戦略が功を奏していると思う。
何枚か買っていて最初は黒帯の90年代初頭、次は97年頃の紙ジャケ。この時は危機などほかの紙ジャケも買った。次にThe
Studio Albums
1968-1987を買ったのでそこで03年リマスター+ボートラを入手。最近出たスティーヴン・ウィルソンによるリマスター盤はどれも買ってない。







