2022年8月19日金曜日

こわれもの | イエス

'71年リリースのイエスの代表作。トニー・ケイに代わりリック・ウェイクマンが加入。いわゆる黄金期メンバーが揃う。
ぱっと聴いただけで音がカラフルになったのが分かる。演奏面と同じくらいモーグシンセなどオルガン以外のバラエティな鍵盤の利用が効果的になっている。
オープニング「ラウンドアバウト」はオールタイムでイエスの代表曲。各メンバーのいいところすべてが出尽くして絡み合っている。前作から加入のハウ師匠がコーラスもやっているが、アンダーソン、スクワイア番長、ハウ師匠それぞれ声質も違っているので、3声コーラスも広がりが感じられ

時間がないためバンド曲とソロ曲が入り混じった変則的なアルバムだが、そういう構成も面白い。特にブルフォード作の「無益の5%」はタイトルに皮肉も込められているし、アバンギャルドな感じを出しながらもカチッとしたプレイなど彼ら示唆が十二分に出ていると思う。

「南の空」は、近年よく演奏されるようになったが、埋もれさせるにはもったいない名曲。

「燃える朝焼け」もこの後ライブのレパートリーに残り続ける定番曲。リフの部分がクリムゾンの「21世紀の精神異常者」の影響を受けていると方々で言われてますが、本作はユニゾンのリフは確かに大きな魅力ではありますが、途中に入るウェイクマンのピアノが緩急つけるブレイクになっていて、魅力を上げていると思う。

ジャケットアートが本作からロジャー・ディーン。まだあの丸っこいバンドロゴはないけど、バンドのサウンドに大変マッチしていて良い。イエスと言えばロジャー・ディーン、ロジャー・ディーンと言えばイエス、というぐらい相乗効果も出てお互いのイメージを決定づけている。アナログ盤は持ってないですが、'97年リリースの紙ジャケ復刻シリーズにアナログ盤に同封されていた小冊子の縮小再現版がついていて、ロジャー・ディーンを使ったバンドのイメージ戦略が功を奏していると思う。

何枚か買っていて最初は黒帯の90年代初頭、次は97年頃の紙ジャケ。この時は危機などほかの紙ジャケも買った。次にThe Studio Albums 1968-1987を買ったのでそこで03年リマスター+ボートラを入手。最近出たスティーヴン・ウィルソンによるリマスター盤はどれも買ってない。