Appleレーベル最後のアルバム。邦題「ジョージ・ハリスン帝国」。
ジャケットはなんかやっつけだなぁ、と思うけどカバー部分はエンボス加工になっていて凝る方向がよく分からないw オリジナルLPでもそういう風になっているんでしょうか?Art DirectionはRoy Kaharaという人物になっているけど、意図が知りたい。"Texture"っぽくしたかっただけなのか。
さて、前作以上に色々私生活は荒れ始めてきた時期なんだけど、その憂さを晴らすかのような陽気なYouで幕を開ける。なんでもPhil Spectorの奥方Ronnie Spectorのために書いた曲だがお蔵入りしていたものを引っ張り出してアレンジし直して収録したもの。邦題が「2人はアイ・ラブ・ユー」という捻りがあるのかないのかハッキリしない感じ。
本作はRingoやKraus、Jim Keltnerといったお馴染みの面々に加えて、後にA.O.R.の仕掛人となるDavid Fosterがピアノやストリング・アレンジャーとして参加。カナダから出てきたばかりの頃らしいけど、やっぱり才能あるミュージシャンはいい仕事してますね。
ちょっと甘めなストリングが効いたThe Answer's at the Endは、切々と歌い上げるGeorge。北米ツアーでは声の不調に苦労したようだけど、ここでは丁寧に歌ってる。
かなりA.O.R.色の強いCan't Stop Thinking About YouはGeorgeの声質にも合ったメロウな1曲。Foster効果なのか、これは隠れた逸品。
This Guitar (Can't Keep from Crying)はWhile My Guitar〜の続編とか言われているし、出だしのアコギのストロークやピアノのバッキングはそんな片鱗も垣間見えるけど、ちょっと言い過ぎでないの、と思う。
Grey Cloudy LiesはAll Things Must Passに入ってそうな小品。
2014リマスター盤には、This Guitarのニュー・テイク、92年にユーリズミックスのDave Stewertとのレコーディングをベースに息子のダーニやRingoが後に手を加えたものとなっている。