2014年12月8日月曜日

Wings At Speed Of Sound (Deluxe Edition) - Wings



さて、Speed Of Soundですが、正直言ってPaulの中では「聴かない方の」アルバムだったりする。

というのも、やはりPaul以外のWingsメンバーの作品がPaulのレベルに追い付いていないのが根本的な部分だったりする。もちろん、Paulがメンバーみんなの作品を収録することでWingsをバンドとしてより強固なものにしようとした目論見に一理あるとは思うし、メンバーのプレイヤーとしての技量に疑いの余地はないのだけど、ソングライターとしてはDennyを除き、難しいかなと。そういう他のメンバーの作品にインターセプトされる違和感から、アルバムとして聴く回数が少ないのです。特に、古くはGreatest HitsやAll The Best、近年(でもないけど)ではWingspanなどでSpeed Of Sound収録曲が楽しめるので、さらに聞く回数が少なくなる、という訳ですw

ということで、今回久々に何度も通しで聴いたけど、正直アルバム全体の印象派当時とさほど変わらないw

既に相当の数のツアーをこなし、Denny Laineの「要」っぷりはいい。The Note You Never Wroteであえて彼にリード・ボーカルを取らせているのか、ここではバンドとして全体を強固する意図はズバリあたっていると思う。これはDennyのボーカルの味をPaulが最大限に評価した結果だと思ったりする。

LindaのCook of The Houseは自分はそんなに好きじゃないんだけど、結構アレ好きな人いますよね?サビに連なる部分やベースは流石Paulって感じですが。

とは言えやはりLet 'Em InやSilly Love Songといったキラー・ソングは眩しすぎる。これとバランス取る他のメンバーはつらいよね。

Let 'Em Inのシンプルな進行Bbmaj7とBb6の繰り返しの部分、有名人を歌詞に取り入れている洒落っけ、など奥深い1曲になっている。

Silly Love Songは、自分でもMcCartneyミュージックの中でTop 3に鎮座する最高な1曲。いつ聴いても終盤の3声コーラス、しかもメロディはすべて違う、の部分は凄い。そして、あのブイブイ鳴るベースがある。後年「ヤァ!ブロードストリート」でのリメイクはこのいい部分が殺されていてがっかりしたような覚えがある。

ボーナス・ディスクにLet 'Em InやSilly Love Songsのデモが収録されているが、完成版の良さと原石の輝きがよくわかる。ZepのJohn Bonham参加のBeware My Loveは思ったほどBonhamしていない気もする。でもこれが縁で後のRockestraに繋がるかと思うと興味深い。