ノルウェーの作家ダーグ・ゾールスターの11番目の小説であり、18冊目の著作。変わったタイトルだ。
図書館の新刊を調べていたら発見。村上春樹翻訳ということで、他に事前情報なく予約。
読んでみたら随分風変わりな小説だった。この無機的な題名も、こうせざるを得なかったのかと勘繰ってしまう。
家族を捨て愛人とともにノルウェーに住み、税収人をしつつ愛人とともに劇団で地元に溶け込み、徐々に愛人に対して冷めていく主人公。この愛人から離れるまでが第一章。大きくなった息子が会いに来て、一緒に住み、息子が抱える孤独に気づくところまでが第二章。最終章はリトアニアに赴き用意をすませた後に事故で歩けなくなる振り(!?)をして、最後に友人宅に招かれ、トイレで立ち上がって用を足しながら終わる。
これだけではなんだか分からないと思うが、乱暴ながらも細部はともかく大筋はこういう話なのである。ちょっとどころでなく変わっている。けど、結局最後まで読み通すだけのみりょくがある、ということなんでしょう。