2015年10月28日水曜日

大聖堂ー果てしなき世界ー - ケン・フォレット

ケン・フォレットの代表作大河小説、大聖堂の続編、大聖堂ー果てしなき世界ーをようやく読了。上巻読んだ後、中巻以降買うまで時間が空いてしまった。中巻と下巻をまとめて買って一気に読んだ。

登場人物を思い出すまでに少々時間がかかったが、そこはケン・フォレット得意の描写に見事に乗せられて、あっという間に中世イギリスの世界にのめり込むことに。

前作大聖堂から150年ほど経過した14世紀、場所は同じくキングスブリッジ。マーティン、ラルフの兄弟と幼馴染のカリス、グウェンダの4人が追われた騎士を匿うところから物語は動き出し、マーティンは大工職人、ラルフは騎士見習い、カリスは父親の商売を手伝い、グウェンダは貧困からいかに抜け出すか悩みながら成長をしていく。

巨人たちの落日や凍てつく世界でも描かれていた善人・悪人の振る舞い、理不尽な権力に翻弄される弱き人々の苦悩がここでも、この時代ならではの背景、特に宗教を重ねながら描かれている。

そして、物語の肝でもあるペスト流行が恐ろしく、この時代に生まれないでよかったと思わせる。

あまりネタバレは書きたくないけど、修道院にかの人物が収まったときはここから先、どう物語が転がっていくのか心配したが、宗教の世界でも権謀術数凝らさないと生き残るのも大変で、人の世って醜いなぁと思ったりもする。

一応悪人が因果応報の結果を迎えるのだけど、そこに至るまで本当にしぶとく、死刑なるかと思えば恩赦が出たりと本当に話の流れに驚きながら、ページをめくり続けたのでした。

予定されている、凍てつく世界の続編も期待している。