2015年11月25日水曜日

超高速!参勤交代 - 土橋章宏

時代小説は最高のエンターテイメントの1つであることを再確認できる、傑作。
とある貧乏小藩に金山があると噂が立ち、江戸の老中が権勢拡大のために目を付けてしまったのが、不幸の始まり。急な参勤交代を申し付け、期限内に叶わなければ取り潰す目論見。
そこは意地でも参勤交代すべしと、藩の殿様、家老らが色々な知恵を働かせていく、というもの。
老中からは刺客も放たれるが、殿様と対決する場面がいいところで、「湯長谷で一番強いのはわしだ」と居合術の達人のオーラが、ボンクラお殿様とタカをくくっていた刺客たちを慌てさせる。
決算の際には家来も、我々は一人一人が一騎当千よ、と荒ぶるところもいい。
戦の場面だけでなく、家老が改心の知恵を
発揮するところや飯盛り女とのあれこれやら、見せ場も多く読んでいて楽しい。
事を成した後の爽快感。エンターテイメントだな。