ボックスセットKingdom of Coloursからの紹介もこれで最後。
またまた2枚組というボリュームで、オープニングが30分超の"The Truth Will Set You Free"から始まる。
本作ではドラマーが交代し、ダニエル・ギンデルローがゲスト・ボーカルとして参加している。メインのハッセ以外ストルト先生もボーカルを担当するバンドだが、この狙いはどういうところか?この後、フラワー・キングスだけでなく、トランスアトランティックでもツアーに参加したりと絡みのある人物。
さて本作はボックス内で唯一リミックスされている作品で、リリース当時はスケジュールに余裕がなく急ぎで仕上げてしまったとの反省がある模様。Inside Outも結構厳しいのね。
前作と打って変わって長尺で複雑な曲が多い。冒頭のChristianopelのようにムーディーな、クリムゾンで言うとMoon Child的なこれまでにないような曲もある。
"Silent Inferno"はRetropolisに入ってそうな一曲。
ギンデルローがリード・ボーカルを取っている"Fast Lane"を聴くとそんなに違和感ない。もっと異質な声質を混ぜた方が効果もあると思うが。
"Soul Vortex"は主要メンバーの4人が作曲にクレジットされているは、フラワー・キングス流ジャムという感じで面白い。
そして今までにないフュージョン、具体的に言ってしまうとウェザー・リポート色溢れる"The Devil's Danceschool"。いや、本当に「ヘヴィー・ウェザー」とかに紛れ込んでも流して聴いてしまいそう。ボディンのキーボード・ワークがウェイン・ショーターの刻みサックスを再現しているかのようでぶっ飛ぶ。
ラストを飾る"Devil's Playground"はリミックス前は25分の長大作だが、2017バージョンでは19分に再構成しているとのこと。
インスト部分の充実ぶりが凄く、これまでとは別のベクトルで濃い作品となっている。