2014年9月19日金曜日

世界が終わるわけではなく - ケイト・アトキンソン

ケイト・アトキンソンによる不思議な短編集。

最初の2本を読んで、ちょっとハズレかと思ったけど3本目の「テロメア」から話が面白くなってくる。

読み進めていくと、連作ではないもの、それぞれの話の登場人物が他の話でも登場してきており、そういうクロスオーバー的な部分も面白い。

4本目「不協和音」では教師の母、勉強が出来、クラシックやTracvisが好きな姉、TVゲームやヘビメタが好きな不出来の弟の3人家族の物語。主に、姉、弟目線で状況が語られていく。

有名女優の息子と子守の話「予期せぬ旅」では2人の交流の深まりを伺え、知らぬ間にもう1人の自分が動き回り、その影に怯える「ドッペルゲンガー」(ラストはなかなか)なども面白い。

冒頭と最後の話が同じ登場人物による話で、このように挟み込むことで「トータル・アルバム」のような効果を狙っているんだろうけど、別にそんな小細工を弄さなくとも面白い1冊になり得ると思うが…