ピアノ・トリオですがBill Evansと随分毛色の違う音楽性。
Evansの危ういギリギリのところで成り立っている儚さ、繊細さのようなものがなく、ある意味パフォーマー、プレイヤーとしてはまっとうで健全なスタイルに聴こえる。
とは言ってもEvansのトリオに見劣りするわけではなく、あくまでスタイルの違い。
Days of Wine And Rosesの晴れやかな演奏には目から鱗というか、ジャズの面白さをまた1つ知った感じがした。Wes Montgomeryの演奏はもっとしっとりたおやかな曲だったが、Petersonのこれもあり。
Girls From Ipanemaもどこかあっけらかんとした感じが好き。
静動、緩急自在でYou Look Good To Meの柔らかな出だしから、中盤の盛り上がりを経てしっとり落ちつかせるところは脱帽。
一方でMy And Only OneやTime And Againのような叙情的な演奏もあり、懐深いところが堪能できる。
ラストを飾るGood Bye J.D.の勢いあるドラムがいい。ああいうのって、ELPでもやりそうでたまらない。
聴いて楽しくなる、良盤。