2016年3月16日水曜日

とことんおでん紀行

バイク(カブ)に乗って日本全国、韓国、台湾のおでん事情を調べ回った記録本。

きっかけは餃子巻き。自分も知らなかったけど、そういうおでんねたがあるそうで、それにショックを受けた著者がこの本制作の経緯となる。

その熱意と行動力に脱帽。ほんとにバイクにまたがり一人旅。90年代後半という時代もあって、ネットで情報収集するのはもっぱらインターネットが引いてあるパソコン保有者しかできず、本文にも「パソコン通信でしりあった友人」という記述があり、これは自らの足で回るのが確実であることに納得がいく。

しかしこれが予算のない貧乏旅。ライダーズハウスや公園や空き地での野宿、各地の友人宅に泊めてもらうというスタイル。10月後半に北海道からはじめ九州で正月を迎えている。

餃子巻が気になってしょうがないが、はんぺんや味噌ダレなど地方により具や味付けが変わっていく様が面白い。北海道ではツブ貝、沖縄ではティビチらしい。

道中親切な人ばかりでなかったと思うし、多分に不愉快なことも少なからずあったと思うが折れずにやりとおしたことは千金に値する。

正直最初の章で読み終えることができないかもというくらい、綴り方に難があったけど、解説でもその辺はテンポ感がよくないという指摘とかあったが、そういうしっくりこないところを補ってくれている。それでもおでんへの熱意は本物でとにかく読み終えることができた。是非、解説まで読み終えることをお勧めする。