2001年リリースのキーボード抜きの4人編成、オーケストラ共演の異色作。
イゴール・コロシェフが脱退し、ウェイクマンもツアーには復帰したもののまた脱退し、結果キーボードなしで制作することに決めたアルバム。キーボードがいないからオーケストラと一緒にやることにしたのか、オケがいるからキーボードの補充をやめたのか、その経緯はよく分からない。
全体的な楽曲群は一定のイエス・レベルに達していると思うが、当時は一聴後、ぱっとしないなぁと思った覚えがある。何度か聴いているうちにじわじわ来るというか、冒頭のマグニフィケイション以外はその良さに気づくのに少々時間がかかった。
Give
Love Each Dayは導入のオーケストラも素晴らしいが、展開が美しい。サビメロももちろんいいが、その前のOur heaven will
be nowから続く展開になんだかぐっと来る。本アルバムで一番気に入っている曲。この良さに気付くのに若干時間がかかってしまって反省している。
Can
You
Imagineは珍しくスクワイア番長リードボーカルの曲。この御仁はもっとリードボーカル曲あってもいいと思うんだけど、なんていうかアンダーソンを立てているというかバンド(の出来)至上主義みたいなところが大きくて、制作面・人事面での辣腕とのギャップが面白い。
10分ほどのIn the Presence ofもアンダーソンのソロっぽいメロディで正直地味なんだけど、あのゆったりさが持ち味なんだなと思っている。
日本盤はボーナストラックにLong Distanceのオーケストラとの共演ライブが収録されていたが、その後に危機、Long Distance、錯乱の扉のライブがボーナスディスクとして付いたものが出て、それも買った。それにしてもジャケットはイマイチ。
この後、しばらくライブ盤とかボックスとかしか出ないので、本作が最後の作品になるのかなとよぎったこともあった。(Word Is Liveが出たころ)
残念ながら、現時点ではジョン・アンダーソン参加の最後のスタジオアルバムということになっている。