初のメンバーチェンジを行ったサード・アルバム。バンクスが脱退し、名手スティーブ・ハウが加入。
期待の表れなのか、いきなり2曲目にギターソロ「Clap」を収録させるほど。確かにこれ聴くとおっ凄いヤツ入ったな、と素直に感じる。イエスに限らないが、アコギのインストを入れるバンドってやはり自信があるんだね。聴いててもすげぇなと思うし。
冒頭の「ユア・イズ・ノー・ディスグレイス」から凝った構成の長尺曲。イントロのモザイクのようなギターフレーズ、そこにかぶさる白玉オルガン、ブリゴリベース、煽りまくるドラム、とこの部分聴いてるだけで随分可能性が広がったなとメンバーチェンジの妙が感じられる。
そしてライブの定番「スターシップ・トゥルーパー」。途中のアコギパート、終盤のインストと組曲構成で、イエスの得意パターンが成立していると感じる。後年、どのラインナップでもライブで演奏しているのも歴代メンバー共通しての「イエスソング」という感じで頷ける。
「オール・グッド・ピープル」は牧歌的な前半とロック的なジャムで盛り上がる後半との退避が面白い。前半にスクワイア番長がハーモニカを吹くのもライブのハイライトとして楽しめる。
初期イエスの中でもピアノ主体の演奏が珍しい「ア・ヴェンチャー」。エンディングの部分はハウ師匠ならでは。バンクスだと多分こうはならないと思う。
最後は「パーペチュアル・チェンジ」。「イエスソングス」での演奏は凄みがあって気に入っている。
バンド名を掲げたぐらいの自信作だろうし、実際後年本作から演奏される曲も多いので、プログレ・イエスの原点とも言える作品。