2022年8月8日月曜日

イエス・ファースト・アルバム

ファースト・アルバム

9月に来日公演が予定されているイエスですが、コロナの勢いも再度増して、猿痘の国内感染者のニュースも聞こえてきて、予定どおりに開催されるのかいささか不安な状況です。とは言え、今更経済活動に影響を与えるほどの行動制限は考えづらく、欧州を見てももう重度の対策を取っているとは見えず、あるものとして付き合っていく感じなのでしょうか。

さて、イエスの来日に思いをはせながら、過去作品を振り返ってみたいと思います。

まずはデビュー・アルバム。60s後半サイケ期を経た雰囲気のあるバンドロゴがジャケットです。
ジョン・アンダーソン(Vo)、クリス・スクワイア(B)、ビル・ブルフォード(Dr)、トニー・ケイ(Key)、ピーター・バンクス(G)の5人組。
ジャケットからも伺えるような、「アートロック」的な音で、まだプログレ的なテイストは少々といったところ。それでも、ブルフォードの手数の多いジャジーなドラムやゴリゴリ言うスクワイアのベースが他のバンドと決定的に違いを出していると思う。この二人はこの年でもう完成に近いというか圧倒的な存在になっている。
後年、いわゆる名手に取って代わられるトニー・ケイやピーター・バンクスも結構アグレッシブで、冒頭のビヨンド・アンド・ビフォアやラストのサヴァイヴァルなどのワウを交えたギタープレイや印象的なキーボードのルッキング・アラウンドなどでイエスの礎を作っていると言える。昨日と今日やスウィートネスなどフォーク調な歌があるのもファーストならではの醍醐味。こういうのはアンダーソン的な臭いが凄い。
ビートルズやバーズのカバーは彼らなりのアレンジで、この編曲力が後のプログレ指向へつながっていることが十分に分かる。

2003年のリマスター盤にはボーナストラックが収録されており、'91のボックスで初CD化されたサムシングス・カミングはウェストサイド物語の曲でこれまたイエスのアレンジが凄まじい。イエスがどんなバンドかを表す初期の名演の1つだと思う。これはなかなか今のメンバーではやらないだろうなぁ。