思いのほか前作から間を空けずに新作が登場。なんでも前作制作後に制作開始しているようで、創造の泉が溢れんばかりに湧き出てしょうがないのか、ファンとしては新作が出るということは現役感あって嬉しい反面、ここ最近の「まったり」イエスかと思うとちょっと身構えてしまうのも正直なところ。
今回も複数エディション出ているが、端から一番豪華なバージョンは見送ることに決めた。正直もうダウンロードでいいかな、と思ったけど流石にそれはロジャー・ディーンに悪いなと思ったり、国内盤の売れ行きよければ来日もあるかなと、変なところで気を遣い国内盤を購入。
で、何回か聴いた印象では前作「ザ・クエスト」路線とあまり変わらないような...
もちろん前々作「ヘヴン・アンド・アース」よりは俄然いいですが、「フライ・フロム・ヒア」や「フロム・ア・ページ」のクオリティと比べたら物足りない。
ジョン・デイヴィソンも相当作曲にコミットしていてボーカルも伸びが合って綺麗で、ハウ師匠プロデュースということもあり、ハウ印のギターフレーズがちりばめられていてそれはそれで良い。全体的にビリー・シャーウッドのベースもクリスをほうふつとさせるブリブリさが出てサウンドだって悪くない。ドラマーも今回からはジェイ・シェレンがフル参加。パワーあふれるはずだが、ミックスのせいなのか思ったほどダイナミックさが足りない。
これは彼のプレイや腕前云々ではなく、楽曲のプロデュース方針か。全体的にきれいでまったりな感じなので、もっと早くとかアグレッシブにするということをあえてしてないのかもしれない。
長めの演奏の歌モノとしてとらえれば、総じて悪くはない。
1曲目はやはりビリーのベースが良い。歌だって悪くない。聴いていて、エンディング弱いなぁとは思う。ライブではまた違った感じになるだろうか。
4曲目、Living Out Their Dreamは出だしの歌メロがちょっとイエスらしくなく意表を突かれるけど、こういうのがひっかかるからいいと思う。少々大げさだけど、新たな風を感じる。
表題曲Mirror To The Skyはギターリフが印象的。素材はいいんだけど、ちょっと飽きる。
全般的に悪くないけど、やっぱり物足りないのが正直なところ。ライブでこなしていくうちに化ける可能性もあるけど、新曲の披露率が低いからなぁ...
ハウ師匠単独プロデュースもいいが、外部プロデューサにゆだねる、あるいは共同プロデュースでもうちょい全体的な作品レベルがあげられたんじゃないかと思う。
いよいよドラムも交代して若返ってきてけど、キーボードもオリヴァー・ウェイクマンがいいんじゃない?フロム・ア・ページの彼の手による曲はどれも良かったよ。